2018年8月11日

サマータイムは益か害か

日本にもサマータイム(Daylight Saving Time)を導入しようという話が、東京オリ・パラを契機に一気に噴出してきた印象ですが、肝心のシステム変更も大変だし(こんな、電源OFF/ONで解決する問題じゃ無いし)、特に外国の多くの国が適用している+/-1時間のシフトではなく2時間移動させるというのは、さらに影響が大きい気がする。

ぱっと考えて一番影響するのは、航空会社だろうなぁ。今でも、欧州とか米国でサマータイムが始まると、フライトスケジュールを調整しないといけないわけで、それがさらに複雑になるでしょうね。例えば、冬時間で日本からNew Yorkに15:00に到着していた便は、そのままなら夏時間では16:00着になる。個々から国内線で接続便が有るような場合、以前なら2時間の余裕が1時間になってしまう。で、途中から今度は日本が2時間のサマータイム(2時間の繰り上げ)をすると、逆に冬時間よりも1時間の早着になるから、余裕は出来るんだけれど、今度は9月には日本の夏時間がおるので、また1時間遅れることに。

代替は、自国内のスケジュールはそのまま維持したいので、相手国での到着時刻や出発時刻が移動するんですが、その為にサマータイムの始まり・終わりを意識していないと、乗り遅れるなんて言う事もあります。実際私の知り合いもこれに嵌まったことがあるし。航空業界は阿鼻叫喚だろうなぁ。少なくとも、欧州や米国でのスタート・エンドと同じ位のタイミングで、しかも同じ1時間のシフトなら、影響も少ないだろうけど、時期も違う、時差も2時間ということになると、もう悪夢だろうなぁ。

この記事の筆者は、個々のコンピューター単体での時刻調整の話しをして居るんだけど、コンピューターの内部クロックは別に電源をOFF/ONしなくても、OS上からタイムゾーンを変更する、時計を変更すれば済むだけの話。で、実社会の生活に影響を及ぼすのは、実はコンピューター自身では無く、その上で動作しているソフトやサービスであるわけで、それが対応していない場合はにトラブルが発生するわけです。最初に書いた航空機のスケジュールだってコンピューター上のアプリが管理しているわけで、それが日本の時差をちゃんと認識していないと駄目。そのアプリの制作者が、全ての国の時間情報でサマータイムを想定し、そのサマータイムのON/OFFと、ONの時のUTCからの時差をパラメーターとして何時でも設定出来る状態にしているなら、それなら問題無いだろうけど、それだってそのアプリと連携する別のアプリが対応しなければ駄目だし、結局は一つでもサマータイムに対応していないものがあれば、結局は全体を見直して調整しないといけない。そう言う苦労を理解していないと、何かこう言うお気楽な中途半端というかいい加減な話が広まるんだろうなぁ。まるで池上さんの番組のような(マテ)。

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