産経新聞の記事から、無人店舗が急速に増加している中国について。面白いなと思うのは、中国は豊富な人口=労働人口を安い賃金で提供することで成長してきたと言えるのに、その中国が未だ人口増加しているのに、経済は無人化に走っていること。勿論、中国も後暫くしたら日本のような人口減少期に入ると言われているけれど、その対策と言うよりも、記事にもあるように低賃金が売り物だった中国でも、経済成長とともに人件費が上がりすぎて、コスト高の国になりつつあるから。
さらに、私が向こうの人と仕事をしていた20年位前だと、発展しているのは北京とか上海とか深圳とか、本当に沿岸部のごく一部の大都市圏だけでしたが、今では沿岸部は当たり前で、さらに内陸に入り込んでいるから、さらに深刻。正直、安い人件費の中国でものを製造して、それを人でやすく売ると言う一時流行ったビジネスモデルは、もう使えない。技術のあるでも日本よりは安い現地メーカーを上手く探して、そこを上手く利用して付加価値が高い製品を作るような仕組みにしないと駄目で、それはとっても大変な時代になってきましたからね。
ここ最近中国で事実上の標準決済手段になっているQRコードでの支払が日本でもブームになりつつあるけれど、その利便性は認めるけれど、日本では一寸持ち上げすぎている気がする。勿論、日本のFeliCaが最高とは言わないけれど、やはりQRコードの簡便さを犠牲にしても、その信頼性や利便性を優先しただけのことはあるんじゃ無いかと思いますけどね。日本でもやっとQRコードでの決済が導入されつつあるけれど、FeliCaですら面倒と感じる日本人が、さらに手間暇かかるQR決済に移行するかなぁ。FeliCa/NFC未対応のスマホを利用して居る人は便利と思うかもしれないけれど、日本人ユーザーの半数以上がiPhoneだし。
閑話休題。人海戦術が特徴だった中国経済が、無人化路線に走るというのは、なかなか象徴的な出来事だと思うんですよね。勿論「無人店舗」が増えても、それをメンテナンスするのは人間がしないといけないけれど、その部分って将来的にはロボットに置き換えても可能な部分が多いのでは。例えば室内清掃とか、商品補充とか。ますます人出がいらなくなるのに、膨大な人口だけが残る世界って、後は物理的な体を捨てて、電脳世界に移る位しか対策は無くなるんじゃ無いだろうか。既に、今の中国社会がデストピアの様相に変わりつつも、国民はそれなりに満足している、多分人類史初めての社会構造が出来つつあるけれど、このまま中国社会が今の路線を拡張していったら、どう言う社会になるのだろうか。一寸不気味な気もしてくる。
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