2018年6月13日

米朝首脳会談

昨日のトップニュース、シンガポールで開催された米朝首脳会談。その内容は、正直素人の私でも「で、何するの?」と思う位具体的な話は無かったけれど、北朝鮮としてはこれまで何度も要求してきて敵わなかった米国首脳との会話をする糸口が出来たと言う事が最大の収穫だろうか。米国としても、秋の中間選挙を睨んで「仕事、やってるぜ」的な演出が出来ればいいんだろうし。いずれにしても、北朝鮮側がどの様に核戦力を公開廃棄していくかで、米国を中心とした勢力は制裁の度合いをコントロールすれば良いだけだけれど、でも途中で抜け駆けするような国が出てきそうだなぁ。

昨日放送された映像を見る限りでは、北朝鮮の金正恩氏の表情が終始笑顔でこれまでの印象とかなり異なる感じで、それは交渉の成功を喜んでいるのか、もしかしたら学生時代以来の外遊に息抜きしていたのか可能なら聞いてみたいところ。で、その笑顔以上に気になったのが日本での報道で、何か金正恩氏が世界的な平和達成のために凄いことを英断して実行している、みたいなニュアンスに感じる報道が多いような気がします。いゃ、そんなことは無いだろう、と。散々軍事力を拡大させ、核兵器まで作り、有る意味「力のオプション」で要求を通しているわけだから。それが許されるなら、日本も同じ事をやって良いことになってしまう。

今後の会話は、米国側は北朝鮮強硬派のボルトン氏が窓口になるようで、そう言う意味では今後の話し合いをすることは確約したけれど、その内容に関してはまだ一切未定と思った方が良いんじゃ無いだろうか。だから、北朝鮮側の卓袱台返しも十分あり得ると思うけれど、それは現状から何も改善しないことになるわけで、まぁ今より悪くなることはあっても良くなることは無いし、それ以上に「やってる感」を世界に見せたから、後はうちの言う事を聞いてくれるよね、と言う事なんだろうか。

軍事力を背景に力で要求を通し、かつ具体的な話は無いのに、彼こそ正義の味方ノーベル平和賞候補みたいな持ち上げ方をするメディアも、もう少し厳しめに批評するべきなのでは。そう言う意味で、文字通りメディアが踊らされていた米朝首脳会談だった気がする。

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