2018年5月17日

字幕は嘘をつく

以下略ちゃんのまとめが一番分かりやすいのですが、NHKの「あさイチ」で放送された、外国人観光客向けのガイドの説明が、実際に話している内容と字幕で異なっているという件。まとめの中に添付されている映像では、
"So actually so Japanese army also attacked U.S. and invaded so China and South Asian countries, too.  That's why so this temple so everybody pray for the world peace. "
と話している部分が、「もちろん日本はアメリカを攻撃し、韓国、中国、東南アジアに侵攻しました。双方の悲劇を知っているからこそ、このお寺は世界平和を祈願しています。」と字幕が付けられている。英文にはない「韓国」にも侵攻したとも取られる字幕も問題だと思うけれど、個人的には最初の「もちろん」という字幕も問題だと思うんですよね。英文での"So actually"を受けての役だと思うんですが、この前には米国の東京大空襲の話しが有ったという書込もあり、それならば、"U.S. army attached Tokyo, Japan.  So actually Japanese army also attacked U.S...."と言う流れなら理解出来ます。でも、字幕で「もちろん」と始めてしまうと、その後のアメリカも攻撃した、中国も、東南アジアも「もちろん」攻撃した、みたいな話になってしまう。さらに細かなことを言えば、英語では"South Asian countries"と言っているのに、字幕では「東南アジア」となっている。「南アジア」だと、インド、ネパール、パキスタン、スリランカ等の地域で、一寸太平洋戦争当時の日本軍侵攻ルートとは一寸違う。ここは"Southeast Asian countries"というのが正しいと思うけれど。そこは、ぎりぎり放送する側の解釈の範囲だとは思うけれど、やはり違和感を感じるのは「韓国」とわざわざ最初に入れているところでしょうね。

それぞれ解釈には違いはあるだろうけど、当時の韓国(と今の北朝鮮も)日本に併合されていて、当時の日本の一部であり、朝鮮半島出身者も「皇国国民」として当時の日本軍に参加していたわけだから、字幕の説明はおかしい。当時は、今の韓国(w/ 北朝鮮)と台湾は日本の一部だったし、中国は国民党支配で日本も含む欧米列強が租借していた土地、そしてそれ以外の東南アジア地域に日本軍が侵攻したことは事実。だから、韓国・台湾の話し、中国の話、逸れ以外の地域の話は、異なる三つの背景があり、それを十把一絡げで言う事は出来ないはず。さらに言えば、最後の東南アジア侵攻は当時の日本の、日本軍の罪ではあると思うけれど、それをことさら特定各国や特定グループが批判するのであれば、その日本が侵攻する前と後、前後二回にわたってそれらの地域を植民地しかしていた欧米列強にも日本に言うのと同等の責任追及をするべきだと思うんですよね。勿論、日本にも責任はあるから、二回目の欧米列強の再占領後の独立に参加した旧日本軍の軍属が沢山いたことも事実だし、簡単に白黒言える状態では無かった時代がそこに有るわけですから。

そう言う意味で、じゃぁどう言う字幕なら適切と思うのか、自分なりに考えてみると、
「実際、日本もアメリカを攻撃し、中国やアジア各国にも侵攻しました。だからこそ、このお寺で一人一人が政界平和を祈願しているのです。」
となるのかなぁ、と。"South Asian countries"が"Southeast Asian countries"の間違いと確認出来れば、「アジア各国」を「東南アジア各国」にしても良いと思うけれど、まぁ文意としては「アジア各国」で医院じゃ無いかと思う。あと、お寺自身が祈願するのでは無く、お寺や神社はあくまでそう言う祈りの場の提供であり、そこに集う人が平和を祈願することが本来の姿だと思うから、そこは一言入れた方が良いんじゃ無いだろうか。ただ、番組で流された字幕の文章は、何か最初から結論ありきな印象が拭えないのは確かだなぁ。やはりNHK、か(笑)。

[追記]翌日の放送で、字幕が適切で無かった旨亭補遺放送があったみたいですね。でも、これがライブ映像の字幕とかなら分かるけれど、ビデオ素材を編集して付けている字幕なんだから、なんで元々の英文とは異なる字幕が放送されたのか、それをちゃんと説明しないと。それがメデイアが日ごろよく言う「説明責任」だと思うのだけれど。

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