2018年4月23日

ブラックメディア

ここ数日の財務相福田事務次官関連のニュース等を見ていると、メディアの殆どは「セクハラ辞任、任命責任」と言うだけなんだけれど、証拠と言われている会話を録音したテープは、肝心の女性の声は消されていて、その内容は文字おこししか無いわけで、となると推測で判断するしかなくなり、それって公平性から言って同なのという感想しか生まれない。で、匿名で良いし、配慮するからとテレビ朝日に情報提供を求めたら、テレビ朝日は言語道断と拒否するけれど、回りからどんどん情報が漏洩して、結局は誰が当事者で、テレビ朝日内部でこの1年半の間にどう言うやり取りがあったのか迄分かってしまう。「セカンドレイプ」を回避するためにテレビ朝日が拒否したのに、結局は自らがそれに手を貸すことになってしまうと言う引くというのかブーメランと言うのか。

今回のテレビ朝日側の状況を聞いていて個人的に腑に落ちないのが、仮に福田氏のセクハラ行為を女性記者やその女性上司が問題と考えたなら、なんでそれを解決する方法をまず考えずに、「報道で解決する」と思ったのかという事。これって、例えば水道局とかガス会社とか電気会社が、顧客から何か問題が発生した時に、督促するとか警告するとか無く、いきなりそれらのインフラサービスを止めてしまう、みたいな話じゃないかと。勿論、何度も督促して警告して従わない場合には、そのインフラサービスを停止する事は有るんだけれど、それまではちゃんとサービスは続けたまましかし必要な対応はしますよね。今回は、相手に対してそう言う意思表示をした様子も無いし、逆に社内では仕事だから我慢しろ、的な空気だったようにも伺えます。となると、いつも他企業のセクハラ行為には厳しいメディアとしては、それと同等以上の対応を見せないと示しがつかないのでは。少なくとも、財務相に注意を促すとか、担当記者の配置換えや取材活動の変更をするとか、「報道する」以前に出来る事ややるべき事は有ったはずなのに、それらを斗罰して一足飛びに「報道」に飛びつくのは、その内容が記事としてバリューが生まれるという判断が大きかったのでは。行ってみれば、それって体の良いハニートラップで相手のミスを誘って記事にするようなものじゃ無いだろうか。

よく環境団体など場「正義のためなら、環境のためなら、何をしても許される」的な考えで極端な行動に走りがちだけれど、今回のテレビ朝日の行動もそれとそっくりな気がする。テレビ朝日としても、自社の後ろめたいところは隠したいという気持ちがあるのだとは思うけれど、もう一つは実は業界内どこも似たり寄ったりの状況なので、自分の所だけ認めて終わりという話にならないと言う、暗黙の了解の元にあえてそう言う態度をとり続けて、火の粉が降りかかる前に、その火の粉すら出さないようにしている気がする。まぁ、そうだとしたら、ブラック企業ならぬブラックメディアですよね、本当に。

0 件のコメント:

コメントを投稿