2018年3月19日

自由放送の時代

政府が放送事業の見直し、具体的には放送の公正中立性を謳った放送法第四条の撤廃を言うんだろうけど、一斉に放送業界から反発が。私は、受信料は徴収しているNHKは別にして、所謂民間放送局は言ってみれば私企業であるわけで、放送免許というライセンス制度の元での事業だけれど、基本的には放送等宇ビジネスで成功しないといけない。そういう意味では、特定の企業とか業種、あるいは政治的思想に偏った放送はしてはいけないとは言いつつも、どうしてもそれを遵守するために会社を潰すのかという場面になれば、忖度することはあるだろうという事は想像出来ます。そういう意味では、この見直しはある意味実状に沿っているとも言えるけれど、それに大声でしかも業界一丸となって反対しているのは、「放送は公正中立」と錦の御旗を失うことが困るから何でしょうね。

「公共性」を言う事で、有る程度の社会的お墨付きは得られるし、それは企業活動でもある意味ブランドになるだろうし、なんと言っても自分達の行為がそれで裏書きされるという意識もあるんだろうなぁ。ただ、最近になるネットが普及してくると、彼らの行為行動が決してそんな綺麗な物じゃ無いことはどんどん理解されていっている。個人的に思うのは、仮に今の四条を維持して「公正中立」を謳うのであれば、今の組織内組織みたいなBPOではなく、もっと広範囲で、かつ色々な知識意見を持った人から構成される放送検証委員会みたいな物を作って、しっかり意見を言える状況を作るべきだと思う。

じゃぁ、四条を撤廃して、放送局が自由に自分達の立場を設定して放送することがメリットになるかというと、日本ではそれも難しい気がする。例えば、今の放送局では、日テレとCXが与党より、TBS、テレ朝、テレ東が野党よりといわれているけれど、これが公正中立が撤廃されてそれぞれの政党を支持する立場になるかというと、それは微妙だと思う。一つは、放送局のスポンサーは大企業が多いわけで、テレビ局としてはそれら企業を取り込む必要がある。今のように「公正中立」を旗頭にして居れば、多少偏っても説明出来るけれど、それが無いとスポンサーが離れる可能性も大きくなるでしょうね。もう一つは、アメリカのように二大政党制なら、どちらかを支持するか放送局が表明しても、国民の半分はいずれかの政党を支持しているわけだから、言い方は悪いけれど食いっぱぐれは無い。それに、二大政党といっても、結構多く部分では共通の政策を持っているわけで、そういう意味ではどちらを支持しても、そんなに相手と反対するわけじゃ無い。でも日本の場合に、例えばどこそこの野党を支持するとなったら、今の自公与党とはことごとく対立するしか無いわけで、となると政党支持率が最大で10%位の顧客層に対して遡及することが効率的かどうかと言う話になりますよね。

今の放送局の財務状況を見ると、殆どの放送局は不動産ビジネス等行ってみればサイドビジネスで儲けを出して、放送事業はそれらのサイドビジネスを上手く運用するためのツールになっている気がします。例え中立性が排除されたとしても、それが放送以外の事業であっても、人様相手に仕事をすると言うことは、相手のためを思い自分のためにもなる事をするという基本は変わらないはずで、そういう意味ではそれが本当に必要ならばやれば良いだけの話し。今レガシーメディアが批判されているのは、そういう本筋から外れた、言い方は悪いけれど私怨みたいなことで連日放送報道していることなんですよね。そういう古い時代はそろそろ幕引きされるべき何だろうなぁ。

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