2018年3月2日

下町ボブスレー

録画してあった、「ガイアの夜明け」の「下町ボブスレー」の放送を昨日見たんですが、オリンピック前に騒がれた状況とは、かなり違う理由が有ったと言う事が放送内容から分かりましたが、一方で技術系の会社が陥りがちな「技術一流、営業三流」みたいな事も感じて一寸沈んだ気持ちにもなりましたね。

放送を見る限りでは、以前言われていたような下町ボブスレーの機体が技術的に劣っていたというわけでは無いと言うことは強く感じられました。どちらかというと、ジャマイカチームの元ドイツ代表のコーチの思惑が強く影響したという感じでしょうか。言われていた、ライバルメーカーと2秒もの差があったという話も、かなりコンディションが違っての話だし、多分これが今回ののスクープだと思う、別のライバルメーカーとの極秘比較テストでは上回っていた性能が、本来の性能なんでしょうね。

でも、ジャマイカの選手も、その極秘比較テストでの選手もどたらも「操作が敏感」と言う点を言っていたのが気になりました。運転の感覚がそのまま記録に影響するときに、やはりそれまで慣れた感覚と大きく違うハンドル感覚というのは、戸惑いの理由になるのは事実でしょうね。その機体がもっと速くあって、習熟できる時間が有れば違ったかもしれないけれど。あと、その元ドイツ代表コーチが指摘した、開発者がボブスレー経験無いだろうという指摘もごもっともで、正直保宗された内容を見ている限りでは、ぶっつけ本番で機体のテストをして居た気がしますね。日本チームの元経験者とか、車で言えば「テストドライバー」みたいな人材を確保して、それでもっと追い込んでいけば違う結果が生まれた気がする。要するに、機体を作ることに熱心で、全体の「製品」としての作り込みは今ひとつだったのかな、と言うのが私の視聴しての印象でした。

個人的には、個々には凄い技術を持っている所謂「下請け企業」が、そういう得意技を上手く組み合わせて仕事をすることで、これまで以上の能力を生み出すことは、これから必要だしそれが生き残る道だとは思うけれど、そのゴールが今回の下町とは余り関係なさそうな「ボブスレー」だったことは、選択肢として適切だったのかというのが大きな疑問。それでも、一旦ゴール設定して仕事を始めたのなら、作り込みをもっと考えないと、単に「凄い物を作りました」で終わって「使える物を作りました」とは行かないでしょうね。そういう意味では、あの機体は今後大化けする可能性はあるけれど、マーケットでの洗礼というか、所謂「Battle Proof」を受けていないので、受け入れてくれるチームも生まれないんだろうな。やはり、日本の実業団とか大学チームとか、そういう所と提携して徹底時に実戦での追い込みが必要だと思いますね。その当たりが、殆ど画面には登場していなかったのが、やはり今回のトラブルの開発者側の原因じゃ無いかと思いました。ただ、めげないで是非こういう活動は続けて欲しいけれど。

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