2018年2月6日

都合の良い民主主義

名護市長選のその後、当初の調査では現職側が圧倒的に有利で、与党系の新人とはトリプルスコアの差が付いていたからか、敗れた現職側はかなりのショックの様子。で、その反動からか、有ること無いこと難癖因縁レベルのコメントや書込がTLに溢れることに。その中でも、地元の新聞記者が「日本最後の民主主義が敗北した」みたいな書込をしていて、「あぁ、なんでこの人達はこう自己中なんだろう」と、それで今回の結果がスッと腑に落ちるという皮肉なことに。「民主主義」を標榜し、「民主主義」を実践していると胸を張り、「民主主義」を代表しているはずの自分達が敗れたことで、「民主主義」が無くなったというのであれば、多分それは「民主主義」という名札を付けただけの別の物なんですよ。と言うか、何でもかんでも自分達に都合の良いように利用して欲しくないですよね。選挙という一番民主的な方法で代表者を選んでいるわけですから、それを民主主義の結果として受け入れられないのであれば、「民主主義」を自ら放棄したことになるわけですから。

今回新人候補が基地問題を取り上げないと、論点隠しだと現職側は批判しているようだけれど、別に自分達の発言まで封印されていたわけではないのだから、それが必要と思えば堂々と主張すれば良かっただけの話し。全て対立候補と同じ論点を提示して、それぞれで発言しなければならないと言う事は無いんですからね。相手とは異なる主張があり、それがより重要と思うのであれば自ら言えば良いだけの話し。あるいは、相手と同じ論点で話しをするのであれば、相手を論破すれば良いだけ。相手が同じ土俵に登ってこないのであれば、こちらが土俵を独り占めすれば良いだけの話しなんですからね。だから論点隠し云々ではなく、単に有権者の興味や優先順位が低かっただけの話何でしょう。幾つかのTLにも書き込まれていたけれど、一時移設で決まっていたのに、民主党政権が卓袱台返しをしてとっちらかしてあっと言う間に消えてしまい、結局はその後始末を都合の良いように外部に利用されて、いい加減辟易してきていたと思いますよ。煽るだけ煽って、結局は何も進展は無いし、解決策だって単に声を荒げて過激化していくだけだし。以前書いたけれど、成田闘争が爆発したような状況の一歩手前まで来ていたと思う。だから、ここで一度クールダウン出来るのは、沖縄にとっても良いことなんじゃ無いかという気持ちの方が強いですよね。

そういう状況だから、出口調査ではバイアスが掛かった結果しか得られずに事前の予想と実際の結果の乖離が大きくなったというのは、凄くよく分かる分析。本来多少のブレはあるし、調査する側の属性によって傾向の差も生まれるけれど、それでも大体事前調査と結果はそれなりに同期している物。でも、それが今回は大きく違っていたというのは、調査する側の属性が信頼されていない、と言う意味にもなるわけで、色々として期されている地元メディア、特に新聞2社はその事にもっと危機感を持つべきでは。それでも「自分達は正しい、理解出来ない有権者が悪い」みたいな事を未だに言っているようでは、どんどん衰退していくだけでしょうね。そうで無くても今回の年代別調査では、50代以前がレガシーメディアを信用せずネットからの情報を重視していたことが分かっているのに。個人的な意見ですが、多分境界線は50-60代の所ではなく、60代の前半くらいの所にあるんじゃ無いだろうか。仕事でコンピューターとかパソコンを使い出した最初の世代が、今は定年退職して暫くしたところですから。そういう意味では、後数年すると、60代のエリアも今回の50代のような状態になるから、ますます差は広がるんじゃないかと。

名護市長選挙の直前に行われた南城市長選挙では、それまで与党側が応援する現職市長が、野党側沖縄知事側の新人に敗れているわけで、そういう意味では民主主義はちゃんと機能している。まぁ、この敗北があったから名護市長選挙へのてこ入れも大きくなり、それが当選に繋がったとも言えるわけですが、逆に野党側もこの選挙での勝利を足がかりに一気呵成に名護市長選挙へなだれ込んでも良かったわけですからね。いずれにしても、沖縄の基地問題というのは大きなテーマで、決して沖縄だけの問題でも無いけれど、それを余りに歪曲してこじられた現知事側の行動に、とうとう我慢の限界を超えつつある、と思うのが一番正確なんじゃないだろうか。それが変わるのも、変わらないのも、結局は民主主義のはずなんだけど。

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