2018年2月26日

裁量労働制

ここの所、いろいろと話題になっている「裁量労働制」。自分も、もう10年以上も「裁量労働制」で勤務していて、まぁ色々大変なこともあるけれど、助かることも多くて個人的にはこう言う制度を運営してくれている会社に非常に感謝しています。ただ、実際こう言うシステムの中で仕事をして居ると、裁量労働制に合う職種や職業もあるし、そうでは無いこれまでのような定時労働制が必要な仕事もあるわけで、今の議論はそれらを一緒くたに話をして混乱しているなぁということ。

まず、会社側が意識改革をして、会社の利益を最大化すると共に、効率化することで従業員の労働効率を最適化するにはどうしたら良いのか、と言う根本の問題をしっかり認識して考えないと何も解決しないですよね。例えば、大量生産で薄利多売のビジネスモデルなら、例えば製造機械を24時間動かすのが一番効率よくて、その為にはシフト制を入れたり、機械化するなりという方法が必要で、その場合は定時労働制で残業とか過重労働などを防ぐ話が必要なはず。一方で、何か製品をリリースするとか、サービスを提供するような場合は、最終的な結果が評価されるわけだから、何時間仕事をした事では無く、どれだけ達成したか、という結果重視のモデル。だから、既存の時間評価の仕事で結果だけのシステムを合わせようとするから、話が通じないわけで、そこは会社としての仕事の仕組みを変えるなり評価システムを変更するなりという事も含めて考えないと、正直無意味な議論だと思う。

ただ、一般論として、今の日本ではなかなか単純作業で時間当たり幾らと言う仕事は減ってきていると思うし、これまでそう言う仕事をして居た職種業種会社であっても、より付加価値の高い仕事に移行しないと、どんどん海外の安い人件費の会社に負けていくと思うんですよね。結局定時性労働のビジネスモデルは、人件費でコストダウン出来ることが一番の武器になるわけで、そこを日本国内で解決するのはなかなか大変。だから、これまではそう言う仕組みの仕事であったとしても、逆に量では無く質でビジネス出来るような仕組みに変えることを考えないと、先ず会社として仕事して存続できない出来ないし、それが出来れば裁量労働制を入れることでよりゆとりが生まれたり、定時労働制であっても残業が減るとか提示で上がれるとか、そういう話が生まれてくると思う。

本来「裁量労働制」の話というのは、日本の労働システムを改善する色々な切っ掛けになる話だと思うのに、やれ調査データがおかしいとか、モリカケが堂とかと関係無い話で潰そうとしているから、結局現状よりも悪くなることはあっても良くなる機会を自ら失っていることになります。自分自身は、後数年で定年退職となり、そういうシステムとも無縁の立場になるんだけれど、それでもこの30年余りのサラリーマン人生を考えると、それこそ月に何時間も残業をしたり徹夜をして居た新入社員の頃から、今の自分で目標(KPI)を設定して、それで給料が決まる裁量労働制のシステムまで、凄く勉強になったし、日本のこれからを考えると、もっと効率化してもっと高品質のアウトプットを出さないといけないと切に感じます。勿論、裁量労働制が一番のシステムでは無く、それを実際に運用してまた新しい問題も出てくるだろうし、日本の経済活動としてさらに別の方向性も必要になるだろうから、10年20年過ぎたらまた色々な議論が出てくるはず。それが健全な話で、そういう「成長・新陳代謝」を否定している様な現状というのは、一番拙い状況だと思いますね。そう言うことを野党には是非自覚して欲しい。

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