2018年1月10日

ドーピング問題

男子ボート競技で発生した、ドーピング問題。「ドーピング選手が発覚した」という通常の話ではなく、オリンピック候補境界線の選手が上の選手の飲み物に濃いにドーピング対象薬品を入れて、ライバル選手を貶めようとしたという、初めて聞くような話。しかも、そのライバル選手は、その選手と懇意にしているライバルで有り仲間である後輩選手というので、ちょっと信じられない話。唯一それでも救われるのは、その犯人の選手が良心の呵責を感じて、自らの行為を申告したことではあるけれど、現在32歳の選手が8年間の登録抹消されると事実上の引退になるだろうから、まぁ犯した罪の代償は大きかったことでしょうね。

確かに、今回の事件を聞いてなるほどと思ったけれど、ドーピング行為をして自らの肉体を違法に鍛えることが主流だとしても、相手を陥れることで相対的に自分の地位を上げるという事も有りなんだなと変なところで感心してしまいました。私も、少し関わっているチームでは、シーズンになるとドーピング対策でいろいろとトレーナーさん達が作業してくれるんですが、一番困るのが風邪薬とか鎮痛剤とか、何気なく薬局で販売されている市販薬を使用して、その成分がドーピングに引っかかってしまうこと。だからシーズン前になると、最新のドーピング情報を公式機関から入手して、そこに記載されているクスリは絶対に使用しない、どうしても必要な場合には事前にチームトレーナー、あるいはチームドクターに相談する、と言うルールを厳しく課しています。先日の試合の時にも、試合終了後何名かの選手がランダムに選抜されて、ドーピングの検査室に連れて行かれましたが、必要な事とは理解しつつも大変だなぁと本当に感じました。そんな思いを、真面目にやっている選手に自分の利益のために強いるというのは、スポーツ選手としては勿論、人間としても許されることでは無いことは明らか。

今回の場合は、自分で準備した飲み物に細工されたわけですが、試合中などはそれなりに周りに人や目があるから今回の様な大胆なことは出来ないとしても、練習中とかでは中々そういう気配りも出来ないだろうし、本当に難しい。チーム競技等なら、トレーナーなどスタッフも居るから、他チームとの合同練習などの時でも有る程度信頼出来るだろうけど、殆どの作業を自分一人で賄う必要がある個人競技はやはり大変ですよね。そのうち、ロック機能付きのペットボトルの蓋とか作られたりするかもしれない。今後は、色々と対策も取られるようになるんだろうけど、逆にそれまでは和気藹々とした雰囲気であったものが、今回の事件で色々と厳しいルールや制限が生まれることで、その良い雰囲気が無くなってしまうことが最大の被害で有り悲劇なのかも。それが残念。

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