2017年12月26日

不思議な振込

少し前に話題になった、JALが飛行機のレンタル料を第三者の口座に振り込みさせられて、4億円近くを詐欺に遭った事件。その内容から、余り詳しい事情は報道されないけれど、正直なところ「何故?」という疑問が尽きない。この記事によれば、どうも事前に内部メールをモニターしていて、本来のメール内容・文体に合わせたもので、しかもメールアドレスも1文字しか違わないような設定で、それで騙されたと言う事らしいけれど、それにしても腑に落ちないのはそのお金を振り込む部門であろう、経理部門は何も確認しなかったのかという事。

個人がお金を振り込むのとは違い、普通会社組織ならば経理部門が存在して、お金関係の作業はそこで一括して処理しているはず。だから、今回の様な場合も、メールを受け取った担当者が直接口座にお金を振り込むことは無くて、振込依頼を経理部門に社内手続きに沿って行い、経理部門からその講座にお金が振り込まれるのが標準なはず。その時も、いきなり指定された口座に振り込むのではなくて、事前に口座の登録とかしておかないと経理からお金も振り込まれないはずで、今回の様に何らかの理由で取引していた口座を変更する場合は、相手企業から経理に対してそれなりの手続きをしないと、経理側でも対応しないと思うんだけれど。

私も仕事で使う部材やサービスを何度も購入したりしていますが、手続きは凄く面倒。指定取引先があって、それぞれの内容によって相手が変わるけれど、どうしてもそれらの取引先では扱いが無い場合も有って、そういう時には特例措置みたいな形で取引先を登録して貰ったり、例外処理みたいな事をやりますがそれも凄く面倒。また、長年そういう仕事をしても、相手の口座を気にすることは一度もなくて、だから口座変更の連絡なんて言うのも受け取ったことがない。勿論、航空業界と自分の居る業界では商習慣が異なる場合も有るだろうし、取引のプロセスも同じとは思わないけれど、飛行機のレンタル料金のように大金が動くような場合だからこそ、もっと慎重にかつ厳密な処理が成されるべきじゃ無いかと思うんだけれど。

そういう意味で今回の事件のニュースを聞いた時に思ったのは、メディアや世間的には「オレオレ詐欺」の大規模な企業版みたいな伝え方をしているけれど、実は根本はJALの中のプロセスに問題があったんじゃないかという気が私はするんですが。まぁ、世間一般に今後も続くだろうオレオレ詐欺防止のために、あえて「JAL」という看板を利用したのかもしれないけれど、実はそれってJAL内部手続きの不手際を毎回指摘されているという事で、JALとしても困ったことと頭を抱えているのかも。

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