2017年12月3日

26歳の男気

昨日話題になっていたコラム。中国の躍進については、私も2000年代に入った直後くらいに何度か出張で北京に行き、その発展具合にビックリして、あと5年10年で中国は全く変わるぞと感じたものですが、その変革のスピードは予想以上ですよね。そういう意味で、確かに深圳とかは自由経済特区として優遇されていることもあって、中国の中でも際だって発展というか近代化している場所の一つだと思う。そういう意味では、このコラムに書かれている内容は、今の日本の中だけで生活している人にとっては新鮮だし驚きに共感出来る無いようだなと思います。ただ、一寸残念な点も。

昔のバブルの思い出を引きずっている今の管理職の世代に対して、中国を認識してもっと俺たち20代を送り出せと言っているんだけれど、それではまだまだ甘いと思う。もう見切りを付けて、自分で自分の世界をそのチャンスの中で探し出すくらいの気概が無いと、今の中国では生き残れないと思う。そういう意味で、この筆者の認識もまだまだ少し甘いと思う。それに、「発展する地域」という意味では、中国は確かに規模も速度も大きいけれど、それに負けないくらいで東南アジアや中東なども今必死に近代化にひた走っているわけで、そういう場所に目を向けることもこれからビジネスで一旗揚げたい、自分の思う仕事をしたいと思っている若い層にはチャンスじゃ無いだろうか。そういう意味で、今の中国のビジネス環境は注目するべきだと思うけれど、一寸そこにスタックしすぎている、近視眼的な見方に少し危うさも感じるんですけどね。

あと、コラムの中では中国市場で現金を使わない話しが登場していて、それを持ってして日本がまだ現金主義なのは時代遅れという話に繋がるんだけど、個人的にはそこにも少し疑問があるんですよね。QRコードを利用して、決済するシステムって、自分も10年以上前にアイデアを出したことがあって、当時はまだFeliCa利用の電子マネーが普及に苦しんでいる時代で、その最大の理由が店舗側にもクライアント側にも専用の端末が必要であったこと。でも、当時の携帯でするすでに内蔵カメラはほぼデフォルトで提供されていたわけだから、FeliCaで生成するコードをQRコードで表示させて、それを店舗側がカメラでスキャンしてホストに送れば良いんじゃ無いのみたいな事を考えていましたが、色々細かな部分での詰めが出来なくて結局は消えてしまったけれど、あれをもう少し粘っていたら逆に中国に輸出できたかも(笑)。

このシステムの問題点は、顧客と店舗がQRコードで決済をする部分は簡単なんだけど、そこに至るまでの売買の部分の作り込みがなかなか難しい所。最終的にQRコードで交換される情報(ポイント)と、実貨幣へ変換して実社会へ反映させないといけないのだけれど、その部分の信頼性をどう担保するのか、今の中国のシステムがどうしているのかそこが不思議。結構思っているのは、かなりその当たりはざっくりしていて、実は漏れとか曖昧な部分があるけれど、最後の所で適当に(と言うと失礼かもしれないけれど)辻褄を合わせて、結果的に誰も損をしないような仕組みにしているような気がしてならないんですよね。あと、実際にそういう事件が中国でも発生しているけれど、適当なQRコードを生成して、店舗で買い物が出来てしまう様な脆弱性もあるわけで、そういう部分のロスなどを考えると、多分今のシステムでは日本で利用出来ない気がする。

「現金・紙幣・硬貨」なるものが、今の世の中ではその物の価値で利用されているのでは無く、本来の価値を代替するものとして使用される「シンボル」でしか無いわけですよね。印刷媒体がWeb媒体に変わりつつあるように、物理的貨幣シンボルが電子的貨幣シンボルに変わっていくことに何の不思議も無い。結局は偽造防止で紙幣に色々手を加えるように、電子的にどこまで信頼性を担保するかが、今後の課題じゃ無いだろうか。日本社会は、そこをトコトコ追究するから、電子マネーだけじゃ無くて、ビジネスの方法や実体もじれったいところがある半面、中国社会はその当たりは「まぁ、自分が損しなければ」みたいな楽観的なところがあるから、次々と増築して行きその都度損益をなんとなく回収するシステムに指定って、ある意味堂々巡りのシステム担ってしまう。それって、見方を変えれば、色々な部分から参入することが可能で、後は自分のやる気と実力で何とかする敷かないという挑戦のルールの社会だと思うんですよね。そこに打って出る竹の気概を持った日本人気質というのは、今の時代ではなかなか少なくなってきていると思うけれど、それでも不可能では無い以上は、このコラムの作者を始めもっと外に出ていって欲しいですよね。視点は多いほど有利だし、経験はバラエティーに富んでいるほど豊かになるし、そこから生まれる新しい愛ではそれらのかけ算で生まれてくるものだから。それは、自分のようなもう老齢の世代になりつつあるものにとっても同じだと思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿