フットボールの世界(他の対戦型競技でも同じ?)では、結構そのチームの選手の能力だったりチームとしての組織力などである程度チーム力が決まっていて、それによって勝敗の確立もかなり確定するスポーツ。だからこそ、実力下位のチームが上位チームに勝利することを"Upset"と言ってことさら取り上げるわけですが、ある程度戦力が固定出来るNFLならまだしも、カレッジとか日本のフットボールのような世界では中々そういう場面は生まれない。それが、この週末、個人的に"Upset"と言って良い試合が生まれたのはビックリ。やはりフットボールの世界でも、変革・革新が生まれているのだろうか。
その試合がXリーグのアサヒビールvsオール三菱。アサヒビールと言えば、過去日本一になったこともある名門チーム。有名選手も多く、今年はアナウンサーから選手に転身して話題になった有馬隼人ヘッドコーチの元復活を目指していたチーム。一方のオール三菱は、著名選手も多く所属するけれど結局その力を生かせずに消えていく「選手の墓場」とも言われてしまう状態。それでも、下位リーグではトップクラスのチームで、ここ数年は上位グループに肉薄する活躍をしていたチーム。昨年から、各地区の上位3位までをSuper-9、4位以下をBattle-9として、リーグ戦対戦をしてきましたが、これまでBattle-9のチームがSuper-9のチームに勝利した事は無く、そういう意味で今回のオール三菱の勝利は"Upset"と言って良いんでしょうね。ただ、春のパールボウル予選でもオール三菱はアサヒビールに勝利しており、実はちょっと期待もあったんですが、先週のリーグ戦最終戦で対戦したときには完敗していたから「あぁ、やっぱり」という空気も。でも、その一週間後に今度は接戦をものにして勝利したんだから、これは称えられるべきでしょうね。アサヒビールは、シーズン開始前には外国人選手の補強とかでかなり話題になって、期待感も高かったんですが、結局その外国人選手は出場することも無くシーズン終了。アサヒビールは、地区3位なので4位の東京ガスと入替戦を戦う必要が有りますが、これは流石に勝利するだろうから、来年もSuper-9はほぼ確実。でも抜本的な改革が必要でしょうね。
どのチームもリーグに所属している以上は常に勝つことを考え、リーグ戦で優勝して、さらにはRice Bowlで日本一になる事を目標に一年間練習に汗を流し、9月から10月のほぼ二ヶ月余りの短いリーグ戦に全てを投入するわけです。そんな中で、ここ数年は上位チームはほぼ固定されていて、硬直化していたのだけれど、今回のUpsetで少しその流れがかわるのだろうか。今下位チームで上位を狙えそうなのは、今回のオール三菱も含めて3チーム位(関東の2地区で)か。その筆頭がオール三菱だけれど、それでも次にアサヒビールと対戦したら多分敗れるんじゃ無いだろうか。一回の突破力は、運も味方してあり得るけれど、それを固定化出来るだけの力は正直まだ無いと思う。それをどの様に構築していくかで、チーム、スポンサー、支援体制、全部揃ってもあと2年位は最短でも必要じゃ無いかと思うな。その間にも、上位チームはさらに戦力を整えていくわけで、多分アサヒビールはこのオフには相当のリクルーティングを進めるんじゃ無いだろうか。ただ、選手側もやはり強いチーム、将来性のあるチーム、魅力のあるチームを選択したいわけで、その当たりどうするのか。勿論、全てのチームが同じ事をやるわけで、かなり早い話題だけれど今シーズンのストーブリーグは熾烈になりそう。
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