2017年8月22日

神対応

新千歳発伊丹行きのANA便が空港混雑のために遅延していた時、機内に乗り合わせていた歌手の松山千春氏が一節歌声を披露して、機内の雰囲気を和ませた事象。お昼頃のフライトということと、公開された機内の写真の様子から、B777を使用する11:55発のANA1142便と思われますねぇ。最初、1時間も保安検査場通過待ちの乗客を待つなら時便に振り替えればとも思ったんですが、次の13:05発NH776便の使用機材がB737-800と小型になるので、振り替えきれないための空港待機だったのかもしれない。

お盆時期の週末のUターンによる保安検査場のオーバーフローとの事だけれど、このフライト以外の便への影響はどれくらいだったのだろうか。他のフライトへの影響もあったと思うけれど、このフライトに対してのみ1時間も遅延するというのも不思議な事。当然、この便の乗客に対しては優先的に保安検査を通過させるだろうし。新千歳だって、そんなに小さな空港じゃ無いわけで、個人的にはそちらの方がよほど気になります。

本来なら、幾ら有名人とはいえ機内設備を勝手に使うことは出来ないわけで、当然機内の最高責任者である機長判断と許可の元、今回のマイクパフォーマンスとなったわけですが、これはこれでANA内でも物議を醸し出すことになるのかも。勿論、結果的に乗客の気持ちが和み、1時間の遅延は仕方ないとしてもそれなりに満足感というか理解を得てフライト出来たので良かったけれど、本来ならいつも「松山千春」が搭乗していてマイクパフォーマンスをしてくれるわけではないわけで、そういう「通常」を想定して機内乗務員なり地上係員なりが対応出来るようにしておかないといけないわけですからね。また、反対の立場で、今後同じような状況になった時に、たまたま居合わせた別の芸能人・タレントさんが「お前も何かやれよ」という無言のプレッシャーを感じるようになるかもしれない。

こう言うものは。決まり事やルールがあってやるものじゃ無いわけで、その時の雰囲気とか状況に応じて「自然の流れ」で生まれる時もあるし、そのまま混沌として終わってしまうことも有り、それはそれで仕方の無いこと。今回の遅延も、1時間ではなく30分位だったら、そのまま遅れただけで飛行したかもしれないし、さらに遅延が大きくなっていたらフライトキャンセルされて一度静まった乗客の怒りが再燃したかもしれない。結果的に「美談」で終わったこの話はこの話として良かったわけで、本来は交通機関というのは定時運行が前提だけれど、特に飛行機の場合は色々な理由で遅延発生が起こりうることと、そういう場合に対しての空港職員や航空会社職員の対応というものもさらに準備しておく必要があるという事でしょうね。表には出てこない、そういう裏事情を真摯に理解して今後のために対策するのが一番重要だと思うなぁ。

0 件のコメント:

コメントを投稿