2017年8月23日

富士通の携帯ビジネス

昨日一斉に報道された、富士通が携帯部門を売却するという報道。今のところ富士通の広報は「当社から発表したものでは無い」と否定も肯定もしていないけれど、まぁ火のない所に煙は立たないものだから、多分水面下では交渉が進んでいるんでしょうね。リンク先の毎日新聞の記事に、これまでの国内携帯各社の変連歴史年表が掲載されているけれど、何か既視感があるなぁと思ったら、これって国内パソコンメーカーの歴史にそっくり。特に、国内のほぼ全ての家電メーカーが初めて、最終的には絶滅したMSXがまさにこの構図じゃ無いだろうか。まぁ、強いて言えばMSXがガラケーの世代で、そのMSXから残ったメーカーが国内のパソコン戦線に突入して行くのは、ガラケーを勝ち残ったメーカーがスマホに移行して、結局現在の富士通、SONY、シャープ、京セラしか残らなくなったのも、国内パソコンメーカーが、今では富士通、NECPC(Lenovo)、SONY、東芝、パナソニックと集約されてきたのと同じ。そう言えば、パナソニックはタフブックで独自路線を持っているように、京セラもDIGNOを持っている。NECPCも、Lenovoに買収されて今に至るのは、スマホのシャープが鴻海に買収されて今に至るのを彷彿されます。唯一、SONYはどちらもSONYと言っていいのか(笑)。でもパソコンのSONY=VAIOは別会社になりましたからねぇ。SONYも一度エリクソンに統合されてその後分離したので、まぁ似たようなものか。で、富士通。パソコン部門も長いことLenovoへの売却話が出ていて未だよく見えないけれど、スマホもそんな状態なんだろうか。

まぁ、自分も遠からず近からずの業界で仕事をしているんだけど、結局今のスマホってサイズのことを別にしたら、WANを内蔵したタブレットやノートパソコンと機能的には違いは無いんですよね。使う人によって、そのしよう内容は様々だと思うけれど、通信インフラとしては既存の4G/LTE回線は使うものの、その上にもはや「音声データ(アナログ)」がそのまま流れることは無いわけで、全て端末側でデジタル処理されてデジタルデータとしてネットワークを流れて行き来している。それって、それこそWeb参照とかLINEとかのデジタルデータ通信と同じ事。例えば持ち運びを考えると、今の5インチとか6インチサイズの「スマホサイズ」が便利だけれど、ブラウジングとかネットアクセスする場合には、もう少し大きめのタブレットに使いサイズの方が便利。電話を掛ける場合に、その端末をそのまま耳に当てると6インチ位が一番便利だけれど、音声入力(マイク)と出力(スピーカー)があればいいのなら、別にマイク付のイヤホンを使ってもいいし、何ならスマートウォッチにマイクとスピーカーを付けて、必要な時にはスマートウォッチを耳に当てて会話出来るようにすれば良い。もともとは「音声通話」する装置が電話で有り、携帯であり、スマホであったものが、今ではその音声通話目的の利用は多分ほとんど無くて、通信はLINEとかメールとかだろうし、利用時間の多くを占めているのは、ポケモンGoだったり動画再生だったりすることを考えると、旧来の「携帯メーカー」という位置付けは、もう時代に合わなくなってきているのかも。

実は個人的に思っているのは、今回の富士通の携帯部門売却先に、ニトリとかMUJIとか、あるいはヤマダ電気とかケーズデンキみたいな家電も含めた量販店が手を上げて、テレビとか白物家電と同じように「通信機能付きの家電」みたいなものの開発に乗り出したら面白いんじゃ無いかと。勿論、テレビとか炊飯器のような家電製品と通信装置であるスマホの開発は、全く別物だとも思うけれど、正直なところ昔と違ってAndroidを使えば、そのままレファレンス機はあるわけだし、製造委託する先も幾らでもある。自社固有の機能追加にしてもデザイン変更にしても、それはこれまでの家電製品と同じ。結構面白いコラボレーションが出来ると思うんですけどね。通信装置を作るのでは無く、通信機能を取り込むと思えば、携帯電話会社にこだわる必要は無いし、もっと別の展開が出来る気がする。

0 件のコメント:

コメントを投稿