2017年8月1日

ビデオ判定

ここ最近、幾つかのTLで「ビデオ判定」の話題が出ていました。高校野球の地方大会決勝(宮城県大会かな)で、15回裏サヨナラヒットがファウルと判定されて、引き分け再試合になったと言うのが引き金だったように思うけれど、其れ以前にも何度も登場する話し。日本で一番身近なのは、最近始まったプロ野球だろうか。それよりも前には、確かバレーボールの崔ドライ判定なんかにも使われていたけれど、これはテニスなんかも同様だと思います。ただ、ここで言われているのは「ラインの内か外か」という反対以外にも、プレー中の反則だとか、ゴールしたのかどうか、というプレーの有効性に関しても含めた、試合全体の「ビデオ判定導入」という機運なんだろうな、と。

アメリカのスポーツでは、随分前から導入されていると思いますが、その切っ掛けはなんと言ってもフットボール。結構以前に一度導入されて、一旦はやめたんだけれど、最近になってモニター解像度が上がり、評価する映像の品質が上がり、さらにはそういう高機能カメラを複数台設置して瞬時に比較出来るようになったりしたことが復活最大の理由じゃ無いかと。そう言う意味では、どのスポーツにおいても、必要な判定が可能な程度の高機能カメラを複数台設置して常時撮影出来る体制がないと、ちゃんとビデオ判定は出来ないということ。NFLで導入したけれど一度やめたのは、多分判断に使用出来る品質の映像が得られなかったことが大きいと思いますね。最近のテレビでは、4Kで撮影しているし、さらに60p/secで撮影していれば、大体の瞬間を捉えることも可能だし。

だから、ビデオ判定の有効性や必要性は認めるものの、やはりそれだけの設備を準備するというコストの面では、なかなか問題があると思う。しかも、一箇所に設置して終わりじゃ無いですからね。テレビ放送などが入る場合は、その放送用の映像を供用すると方法もあるかもしれないけれど、それだって調整が大変だろうし。またNFLの場合は、確かビデオ反対するのはそのスタジアムでの審判ではなく、全国から映像が一箇所に集められて、そこでビデオ反対専門の審判員が判断を下して、その試合会場の審判に伝えていたはず。多分、実際に試合を見ている審判の主観が入らないようにしているためだと思います。またビデオ判定の判断基準も、現場の審判員が下した判定を、明確に覆すだけの証拠映像が有った場合に判定が変更されるわけで、明確でない場合には現場の判定がそのまま優先されることも。だから、日本のプロ野球でのビデオ判定は、現地でその担当審判が判断するんだろうけど、客観性という意味では一寸疑問が残るけれど、流石に何処か別の場所に映像を集めて、というのは一寸タフだと思う。

実は日本のフットボールでも、ルール上は今シーズンからビデオ判定が導入される試合も規定されているけれど、実際にJapan X BowlとかRice Bowlとか日本での最大級の試合でも設備が間に合わないんじゃ無いかという気がしています。多分、中継に入るテレビ局が映像は担当して、その場でインスタントリプライみたいな感じでプレーを判断するんだろうと思うけれど、結構大変な気がする。多くのカメラメーカー、放送機器メーカー、ビデオメーカー、家電メーカーと、ベースの技術は揃っているけれど、それらを組み合わせて一つのシステムにするというのが、相変わらず弱い気がしますねぇ。まぁ、日本のスポーツでのニーズが低いということあるんだろうけど。ただ、昔は映像も不鮮明で低解像度だったから原盤判断を覆すだけの証拠もなかったけれど、最近のテレビ放送では高解像度ハイスピード化が進んでいるから、普通にテレビ放送のリプレー見ても判定がおかしいと感じることが多くなってきました。そう言う意味では、現場の技術よりも周りの技術の方が進みすぎた悲哀なのかもしれない。

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