2017年7月29日

スマートでないスマートデバイス環境

PCWatch、山田祥平氏のコラムから、おはようからお休みまで見つめるスマートデバイスについて。パソコンは何れスマホに置き換わると言う人は多いけれど、個人的には「サイズの棲み分け」が生まれて、結果的に共存共栄の世界になると思いますよ。丁度車の世界がそうであるように。勿論、その中で「売れ筋」として、ある範囲の車が販売台数の多くを占めるように、時代によってノートブックが中心、タブレットが中心、スマホが中心、そして2-in-1が、さらにはスマホも統合された3-in-1みたいなものが将来的生まれてくるかもしれない。でも、結果的にはそのデバイスの物理的サイズやデザインで棲み分けが生まれてくるでしょうね。データ自体は、どんどんクラウドで共有化されて、今はデータだけだけど、そのうちに利用するアプリやOSに至るまでクラウド上で実行されて、末端のデバイスはをその入出力だけを受け持つようになる、と言うのが自分の想像。だから、サイズによる棲み分けがどんどん加速するでしょうね。

最近一寸皮肉だなと感じたのが、解像度と画面デザインの関係。コンピューターのスタートはキャラクターベースの表示システムからスタートして、それがGUIになりグラフィックなものへ移動。それに伴って、解像度の競争が生まれてきたわけで、元々はVGA(640×480)がXGA(1024×768)になり、4:3のアスペクトレシオも16:10とか16:9とか横長になり、それがまた4:3に戻ったり。その一方で解像度場どんどん高解像度化が進み、Full HDが出たと思ったら、4Kから8Kと言う時代に今は到達している。大体スマホだって、今は下手なパソコンよりも高解像なわけですからね。

一方で、Windowsの世界ではそういう高解像度化の波に逆らうように、アプリはストアアプリに移行させようとしていて、どちらかというと解像度よりも、その画面サイズに合わせた画面デザインに軸足を移している。言い方は悪いかもしれないけれど、5~6インチくらいのスマホ画面を、14とか20インチクラスのパソコン画面で見せられるわけで、まぁ確かに見やすいかもしれないけれど、それならあの高解像度競争はどうなったのか、と小一時間。勿論、例えば4K画面を縦・横4ドットずつまとめて利用して1K画面にして表示しているわけではなく、I/Fは大きく、画像データ等高解像度が必要なところはそのままという風にはなっているけれど、如何せん画面全体を見ていると、あれだけディテールにこだわった高解像度を利用した凝ったI/Fが、どんどんシンプル化されていくのって言うのは、時代の流れではあるけれど一寸不思議な感じすらします。勿論、高解像度画面にこれまでと同様のサイスで文字とかI/Fを表示してしまうと、物理的な表示サイズが小さくなりすぎて実際に利用出来ないという問題があるのも事実。でも、I/F部分だけ大きくすれば済むわけで、そういう対応をしているアプリも有る事は有る。でも、アプリの限界なのかOSの仕様なのか、なかなか「使いやすい」形で高解像度画面にフット出来るものは少ない気がします。

「スマートデバイス」という名称は、多分「知的I/Fを持った」という意味で「スマート××」と呼ぶのだと思うけれど、音声認識とか音声合成など「音」に関しての技術はまぁ拡張されて改善されて行っている気はします。でも、視覚I/Fに関しては十分なリソースを使いこなせずに、なんとなく先祖返りとは言わないまでも、何か安易な方向でお茶を濁されている気がするのは被害妄想(笑)。今「スマートデバイス」と言うと、「スマートスピーカー」みたいな、リビングなどの真ん中に置いて使うものが中心です。それもいいのだけれど、表示機能中心でより知的で機能的なI/Fを提供してくれるような「スマートディスプレー」みたいなスマートデバイスが、そろそろ登場してくれないだろうか。理想は、空間投影だけれど、壁とかプロジェクションマッピングみたいに何かの物体に投影する形でもいいと思う。その、音と映像=耳と目へ統合されたものが、本来の意味で「スマートデバイス」と言って良いんじゃ無いだろうか。

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