2017年7月25日

結論ありきのワイドショー

昨日開催された、安倍総理も参加しての閉会中審議。最初に登場した加戸前知事と小野寺議員の質疑で答えは出ているけれど(それら自体特に目新しいものは無くて、時系列に沿って整理しただけのものだし)、その後登場した民進党の大串議員とか玉木議員の質問のパフォーマンス(だよな、あれは)を見ていて「あぁ、ワイドショーとかニュース番組ではこっちを採用するんだろうなぁ」と思っていたら、その通りでしたねぇ。あれって、この問題を解決しようという意図じゃ無くて、単に相手の印象を悪くしよう、邪推させようとしている気満々でしたから、それに見事にワイドショーも乗っかったというシナリオかな。

実際には何時間にもわたる質疑を、何十分程度に縮めて伝えなきゃいけないわけだから、省略する部分があるのは確か。ただ、未だに前川前事務次官の発言を「正」として、それに対しての官邸側の発言を検証するという構図には疑問を感じますよね。しかも、官邸側が「その様な記憶は無い」と言えば疑念のような言い方をするのに、前川氏が「その様に感じた」とか「そう思った」と自分の感想を述べているだけなのに、それが「正しい」という言い方をしている。その前川氏にしても、自分の回答に齟齬が生じているのに、それを指摘しない。そういう意味では、与党側ももっと発言の整合性を指摘して、前川氏の発言の信憑性や信頼性を追及するべきだったように思うけれど。

野党側の質問を聞いていてビックリしたのが二つあって、まずは民進党の大串氏が安倍総理と加計氏が個人的にゴルフや会食をしていることを指摘して、何回会っているのか、その時のゴルフ代や食事代はどちらが持っているのかという質問。十数回会っているのに一度もこの加計学園申請の話しが出ていないと総理が説明した時に「そんなことは無いでしょう」と勝手に決めつけた、食事代はその場合によって自分が出す場合も有れば相手が出す場合も有るというと、恰も便宜を受けたような反応をしたこと。多分この大串氏の回りでは、何度も合うような親しい人からは色々と生臭い話しが出ているんだなと、逆にこの人の政治姿勢に疑問が生まれるわけですが、そういう公私の区別がちゃんとつけられるから30年も付き合いが続いているのでは。相手だって、個人的な要求をお願いして、それが公になった場合には相手だけでなく自分にも降りかかってくることは分かっているわけで、そんなことはそれなりに成功している人があえて冒すようなリスクとは思えない。勿論、加計氏が何かのタイミングで教育論みたいな事を言うかもしれないし、その中で自分の夢・希望として獣医学部の話しも出るかもしれない。でも、それを聞いたから安倍氏側で優遇するメリットは無いし、逆に普通はその件から距離を置くなり、厳密に対応するのでは。普通の企業でも、互恵取引禁止とかステークホルダーに関しては厳しく対応することが要求されているわけですからね。個人的には、そういう邪推をして普通だと思う野党側の方が後ろめたいことがあるからじゃ無いかという感想しか生まれなかったけれど。

さらには、玉木氏は加計学園の白紙撤回を迫ったけれど、それってここまで何度も説明されて問題無いとされている戦略特区のプロセスを否定するものなわけで、それだけの根拠を示さずに単に自分の感想だけでそう言うことを言うのは大間違いでは。しかも彼の場合は、父親や兄弟がステークホルダーな訳です。それこそ大串氏のロジックで言えば、親兄弟の間柄で、この問題が出ないわけが無い。となると、獣医師会側に有利なように、玉木氏が今回の騒動を利用している、と言われたら、彼はその説明責任が発生すると思うのだけれど。実際彼自身が、獣医師会の要望を尊重して特区潰しをしていることは、ブログなどで表明しているわけですからね。

前川氏以外の関係者は、皆「加計ありき」では無いと否定しているのに、たった一人が「そう感じた」「そういう意図だと理解した」と自分の勝手な想像を理由に時間を浪費させている。そして、それが何故か「正義の味方」みたいな扱いをされている。その責任を、メディアはどう取るつもりなのだろうか。今回の件を見ていると、暴走する権力を地で行くメディアに対しての恐怖と怒りしか生まれないのだけれど。「テロ等準備罪」を共謀罪と煽り、山へキノコ狩りに行っただけで逮捕されると煽っていた側の人間が、まさにその構図を使って火の無いところに煙り所か大火を点け回っていることの矛盾すら感じていないメディアって、やはり「メディア」ではなく「火付け盗賊」と呼ぶべきじゃ無いだろうか。昔なら、「打ち首獄門市中引き回しの刑」になるんだけれど。

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