2017年7月12日

誘導報道

盛会中参考人招致の様子がメディアで伝えられるけれど、ほとんどは「前川氏 vs 官邸」という対立構造を見せるだけ、伝えるだけで、本当の意味での戦略特区の必要性やその手続きに関してはほとんど報道されない。特に、今回の獣医学部誘致の中心人物の一人である加戸前愛媛県知事が、10年以上も掛けてやっと実現にこぎ着けた説明をしても、それがほとんど報道されない。逆に、10数年前に今治選出議員と加計学園事務局長が友人だったから、その伝で加計学園を中心に提案をまとめたという説明の「お友達」という部分だけ切り出して「やはりお友達特区」みたいな伝え方を、NHKがしているのは問題では。総理と加計学園理事長が「お友達」という事象と、この加戸前知事が言う「お友達」は、全く別の話なのに、あたかもそれが同一の事象のように誘導するのは、報道機関の仕事では無く放送作家の仕事になるでしょう。

例えば、今治市の特区申請の話が進んでいて、でも認可直前にそれまで提案の中に含まれていた大学(例えば地元の愛媛大学)が、突然特区認可の条件として「加計学園」が事実上指名されてきた、と言うのならまだ今回の様に官邸の説明や理由を要求するのは分かる。でも、元々は今治市や愛媛県の地域活性化目的というか生存競争のアイデアとして、地元への大学・学部誘致の話なわけで、それは昨日今日始まった話しじゃ無いのは、既に色々な資料で示されていること。しかも、それを獣医学部の新設という目標設定をして、かつ既存の獣医学部や獣医系大学からは相手にされなかったので、新規に加計学園とタッグを組んで10年以上も努力しての結果。さらに言えば、民主党政権時代にも与党の当時の民主党は関わっているわけだし、かつその周辺地域選出の民主党議員も、加計学園側、獣医学会側、それぞれの利益代表として活動していたわけで、その状況を全く知らない振りをしての今の民進党の行動は余りに無責任。

当時誘致に奔走していた岡山選出の高井議員は当時の様子を綴ったブログ記事を削除して無かったことにしようとしているし、「一校のみ認可」という落としどころに収めた事を伝える獣医学会の会報もサイトから削除されるなど、都合の悪い事の隠蔽工作が進むけれど、ネット時代の現在ではそんなデータは既に幾らでも複製されていて、「消せば増える」の名言通り、どんどん拡散していく。墓穴を掘っているのは、獣医学会や今回の件を無駄に騒ぎ立てている人達なんだけど、メディアはその反対のことを伝えるばかり。流石に身内のメデイアからも、今回の件で最終的に敗北するのは自民党では無く、メディア自身では無いかという危惧が出てくるようになったけれど、もう遅いでしょうね。さらに、朝からお昼過ぎまで続く、各局の情報ワイドショーのほとんどが、実は一つの製作会社が作成しているのも初めて聞いてびっくり。いゃ厳しい世の中、キー局とは言えども外注してコストダウン出来るものはそうするのは、言ってみれば製造業のOEM/ODMだと思えば不思議は無いけれど、それにしても8割とは酷い話。当然各局、各番組で独自色を出すために、独自コーナーとか情報の取捨選択をするんだろうけど、そう言えば結構ネタが時期をづらして被ることがあるよなぁと、妙に納得できるところも。そうなると、もう情報バラエティーであって報道番組じゃ無いですよね。

結果的に、その製作会社に特定の意見に集約する、あるいは誘導する意図があったかどうかは分からないけれど、それぞの番組ごとに個別の内容を準備するよりも、ある程度味付けを変えて同じ素材を使った料理を準備する方が効率的だしコストも掛からない。だから、どの番組も判で押したような内容になるのだと、実感できました。ただ、それならなんでNHKまでが民報並みなのか不思議なんだけど... 実は裏で孫請け、ひ孫請けで外注されていたりして(笑)。「報道」というのは「報道芸能」とか「報道ドラマ」だと思っていた方が良さそうですね。そのうち「ホードー」とカタカナ書きにされる時代になるかも(笑)。

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