2017年6月8日

出版したけれど

ゴマブックスが加計学園問題で「文科省の『総理の意向』文書」を出版したという話。仮にこれらの文書が正式な文科省の文書・書類であった場合、その権利は文科省に属するし、かつ守秘義務違反にも抵触するだろうから、こう言う事は出来ないのだろうけど、政府側文科省側は「怪文書」というのが正式な位置付けだから、そういう対応は出来ない。

では、出所不明な「怪文書」という事になった場合、一つ思うのはそういうものを書籍化して有料で配信した場合、内容が「怪文書」なのだから「風説の流布」に当たらないのだろうか。つまり、政府では無く加計学園側が学園の価値を落とす目的で行われた、みたいな事を主張したらどうなるんだろうか。

疑問なのは、ゴマブックス側はどこからその「怪文書」の全文を入手したのだろうか。元々は、前川氏が朝日新聞や民進党に持ち込んだと言われているけれど、逸れ以外の出版社に売り込んだんだろうか。あるいは、ゴマブックス側から民進党と握ったんだろうか。ゴマブックスとしては、その入手先を明らかにした上で公開するべきだと思うのだけれど、その当たりって明らかにはしてないんでしょうね。それはそれで、やはり「売れれば良い」みたいな印象しか受けなくてちょっと何だかなぁ。

文書の内容自体は、既に色々なところに出回っていて何も目新しいところは無いし、新鮮味は無いのだけれど、一寸困るのはこの文書だけで色々判断されることですよね。有る瞬間だけ切り取って、それだけで印象操作するような物な訳で、少なくとも加計学園の認可に関して話をするなら何十年前からの今治市の招致活動やら、民主党議員の誘致活動やら、それらを見ないと、都合の良いところだけ切り出したら印象は幾らでも変わりますからね。個人的には、今世の中に出回っている「総理の意向文書」は内容的には文科省側の意見なり態度をまとめた物で、大体それが彼らの最終的な結論として正式に発行された物かどうかすら定かで無いものを議論しても意味が無いと思うし、仮にあの内容が全て正しいとしても、これまでの経緯を見ると単に文科省が開設したくなくて時間稼ぎをするための理由を作っているようにしか見えない。

元々、どこから過去の文書が登場し、それに対して前川氏が「確かにあった」と裏付けしているんだけど、どうやら自分で用意して自分で「正しい」と言っているらしい。そういう意味では、実際に文科省内で作成されたあるいは文科省内から持ち出されたデータ(ファイル)を元に作成された物なんだろうけど、公開されたメールがつぎはぎだらけなのは既に指摘されているわけで、内容的にどれだけ正しい物であっても、その証拠としての真偽は不明。例えばある犯罪が発生した時に、その様子を撮影したビデオは十分証拠になると思うけれど、それを再現したビデオは借りに全てを本人・その通りに演技しても証拠にならないのと一緒。PDFファイルとして出回っている物が、印刷物をスキャンして全体が一つのPDFになっているとか、ソフトデータからPDF形式で印刷出力された物なら、それは「本物」と言っても良いと思うけれど、複数のデータを、それも関係無い別のメールの一部同士が一つのオブジェクトになっていたり、意図的な作為を感じるようなものは、仮にその全体の内容が原点と同じであっても疑わしい。そういう意味では、今回の出版された本も、実はそれと同じであって、労せずして600円以上の収益を得られる出版社だけが笑顔になるという構図なんでしょうね。

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