幕張で開催されていた、レッドブルのエアレースに登場した「零戦(零式艦上戦闘機)」。エンジンは破損が酷くてオリジナルでは無くP&Wのものに換装されているらしいけれど、機体はパプアニューギニアで発見れたものを修復しているとのこと。降着装置をだしたままの飛行は、何か飛行許可の制限(試験機などが安全のために同様にだしたまま飛行するように)なのか、あるいは強度的な問題等から収納した状態に出来ないのか分からないけれど、可能ならば次は車輪を格納した状態で是非飛んで欲しいところ。
子供の頃に読んだ零戦の本には、この飛行機には日本人の知恵が満載されているという話が幾つも書かれていて、例えば主翼が胴体したについているのは、下方への視認性は犠牲にしつつも、主翼の上に本体を乗せることで強度的に優位になったり、また軽量化するために骨組みの機材に穴を空けてみたり、リベット類も空気抵抗を減らすために平らにしたり、また航続距離を伸ばすために胴体下に使い捨ての増装タンクを設置してみたりと、後に米国を初めとした各国飛行機がマネする要素が五万と詰まっていたらしい。ただ、資源に乏しい日本では、それを継続して発展させる余裕が無く、戦況が長引くとどんどん厳しい状況に追い詰められていったらしいけれど。
今戦闘機の世界は、どんどん電子化が進み、さらには無人機が主流になりつつある時代。人が実際に操縦して飛ばせるのは、こう言うエアレースだけになるのかもしれない。今から見れば、とてもシンプルで色々欠点も多いデザインだったのかもしれないけれど、乏しい中でも何とかしてしまう良くも悪くも日本人的な気質がにじみ出ている作品の一つが、この「零戦」じゃ無いだろうか。そういうシンボルとして、この機体はこれからも空を飛び続けて欲しい。
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