2017年5月6日

京都のラーメン

京都のラーメン店を舞台に発生したトラブル。日本の京都を旅行中の韓国人男性が、京都のラーメン屋に入ろうとしたところ、中から罵声を浴びせられた様子が、その男性がセルフィーで生中継をしていた動画に映り、そのまま配信されたこと。最初は、ヘイトスピーチが、とかラーメン店の態度が、みたいな事で騒ぎが大きくなったけれど、その後詳細が色々分かってくると、ちょっとそれとは違う側面も重要じゃ無いかと感じるわけです。

分かった事実関係では、実際にこの男性はラーメン店に入ろうとして、中から罵声を浴びせられた事は事実。但し、それはラーメン店自身の行為では無くて、そのお店のお客さんが発したものらしい。だからラーメン転じたいに落ち度は無い。強いて言えば、その場で「お客さん、それは酷いよ」くらいの注意行為は必要だったかもしれないけれど、その時店主は不在だったようですし、そんなに長い時間のやり取りがあったようには映像からは感じられないので、そこまで要求するのは酷かも。

で、各種報道では、このお客さんも特定されていて、本人も謝罪の弁を述べていて、想像通り酔っ払っていての行為だったらしい。しかも4件目だったと言う事で、かなり酔っ払っていたことも事実。酔っていたから罵声を浴びせて良いと言う事は無いけれど、普通に人種差別、国籍差別したような行為とは違うもの。ただ、ここから話がややこしくなるのが今回のトラブル。時系列のまとめはこちらのサイトがわかりやすいと思うけれど、この酔客が起こった理由が、どうもこの韓国人男性が自撮りカメラで撮影しながら店内に入ってきて、その様子がどうもカチンときたらしい。酔客が「撮るのを止めろ」と言えば済む話という意見もあるけれど、それならば不特定多数の人が居るであろう店内に入るのに、予め撮影の確認もせずにいきなり入ってくるのも同じくらい失礼な行為だと思うんですけどね。例えば観光地などで記念撮影などをしているところに映り込んでしまうのは、これはある程度仕方が無い。でも、ここは食事の場所で有りそう言う観光地では無いわけですから。

さらにこの自撮り棒での撮影ですが、別にこの男性が刊行の記念にと思って撮影していたわけでは無く、所謂BJ (Broadcast Jockey)として色々な動画配信をして、それによって収入を得ている人間で、過去にも日本に来て色々な動画を配信しているらしいけれど、その内容が一寸疑問。女子高生とか若い女性をナンパする場面を配信したり、さらには視聴者からリクエストを受け手、例えばキスをするとか行為をエスカレートさせて視聴率やリクエスト料金などを獲得することを仕事にしている男性。先日の「特ダネ」でこの話題を取り上げた時に、最後に指摘していたけれど、実はそう言う有料配信のために日本に渡航する場合は、ビジネスビザを撮ってこないと駄目なのに、この男性は観光ビザで入国してこう言う行為を繰り返しているようで、その場合は入管法違反になるという事。この観光とビジネスの境界線はある程度微妙なところがあって、例えば自分が観光で綺麗な景色とか印象的な光景を撮影し、それをYouTubeにアップして人気が出て結果的に収益になった場合も、そう言う意味でグレー。公開せずに限定的にYouTubeを利用するとか、本当に個人用記念映像なら問題無いけれど、最初からアップロードするつもりだとかな陸路に近いグレーと言える。それが今回の場合は、それを自分の仕事にしている男性が日本に来て撮影しているわけですからね。

だから重要な事は、この一連のトラブルが「ヘイト」という一つの理由じゃ無く複数の原因と様相が有るという事。と言うか、実は「ヘイト」の要素はほとんど無かったかもしれない。酔っ払いの戯言と言って良いかもしれないレベルなわけですから。それよりも、一時期よりは減ったとは思うけれど、自撮り棒で所構わず撮影するマナーはもっとルールを守って欲しいし、日本という素材を利用してビジネスにしているなら、それなりに厳しい処分をしないと、ますますエスカレートするのでは。暫く前にあった、大阪の寿司屋でのワサビ事件も、お店に押しかけて謝罪させたテレビ局もネット系のテレビ局で、そう言う話題を膨らませて視聴率を稼ぐことも重要なわけですからね。今回の件も、「ヘイト」の一言で片付けてしまうのは凄く危険なことで、それも一部ではあるけれど、それ以外にも外国人や日本人のマナーの問題とか、日本でのビジネスを勝手にしている渡航者とか、ある程度分類して批判するべきは批判するし、反省するところは反省することを明確にしないと、結果的にデマではあるけれど内容的に影響の大きいことだけが真実として流布されてしまいます。それが一番の問題ですよね。

0 件のコメント:

コメントを投稿