2017年5月29日

前川文書

前川前文科省事務次官が「あった」と証言する文書。既に広く言われているように、公開された部分だけを見てもどう見ても何かの会話の覚え書き程度の内容で、「正式に認められ」書類・文書とは思えない。大体、役所で文書をどの様に管理しているのか、それが分かれば、例えば番号や日付けで管理しているならそこから調べれば良いし、部門とか部署で管理するなら、それからも探れるでしょう。でも、公開されている文書を見ると、肝心のそう言う情報が見当たらない。それに、あの公開されている文書は、私は最初前川氏が持ち出して公開したものだと思っていたら、今のところそうでは無くて、民進党が入手したものを前川氏が「確かにあった」と裏付けしている、という構図になっているようですが、それなら民進党はだけから入手したのか明らかにすれば良いのに、それをしない。実は前川氏から持ち込まれたものだからと言うのが種明かしらしいけれど、そうなると民進党の責任は重いですよね。

大体何を持って正式文書と言うのだろうか。例えば自分が仕事をしている開発の場合は、昔はちゃんと管理番号を振ってセントラルファイルに保管したものが「正式な書類・文書」で、例えばミーティングの議事録とか残すのであれば、技技をそれ用の番号を取得したりして正式な書類化作業をしないと駄目でした。勿論、そこまで正式なもので無くても、ある程度その時に話し合った仲間での共通理解と言うような意味で「会議メモ」みたいなものを作成したメールで回覧したりすることはあるけれど、それも誰からのどこへの配信かメールなら自動的に分かるし、且つ日付けも入るから履歴管理も出来る。で、それらは正式な文書というよりは、そこからさらに詳細に話を進めるとか発展させるための元ネタみたいなもので、それ自体も一つの記録ではあるけれど何か保管して言って期間保存するような物でも無い。色々なレベルの文書や情報は様々な形で残るはずだけれど、その中でどう言うレベルのものなのか、先ずははっきりさせるべきだと思うけれど、その情報が正しいと言っている側が一向にその為の確証を出さずにいるから、情報元にしては「存在しない」と言うしか無いわけで、これは攻める側の力不足怠慢だと思う。本当に正しい情報なら、「ここにある」と言えるはずだから。それすら分からないのに「こんな情報がある」と騒ぐのは、仮にその情報が正しいものであったとしても「怪文書」と言われても仕方ないと思う。だって、それが許されるのであれば、聞いたような話や情報から自分で文書をでっち上げて「こんな文書があるはずだ」と責め立てても言い訳ですからね。

今は、この前川氏の個人的品行の話も出ているけれど、その真偽に関しては私は別問題として扱うべきだと思う。最も、今年初めの文科省甘栗問題の時には散々前川氏を叩いていたメディアが、今は掌返しで正義の味方的な扱いをしているのは、もう笑うしか無いけれど。まぁ、その天下り先に、今回の加計学園関連で今治市とか愛媛県当たりに天下り要請していたら笑ってしまうけれど。ただ、今のところ公開されている情報では獣医学部新設までのプロセスに関して、森友学園ほどの疑いは無いと感じるし、元々加計学園が新設を希望したのは、民主党の地元議員と協力してのことだから、最近急に決まった話でもない。また、京産大との競合の話も出てくるけれど、元々全面反対していた獣医師会との妥協で1校だけ認めると言う話になったという説明もあります。だから、獣医師会はどうなのかという証言も重要だけれど、そう言う話は聞こえてこない。本当だったら、50年以上も新設を認めない獣医師会にだって説明責任はあるはずだけれど、それは誰も説明しないし。

最近ちょっと不思議に思うのが、今回これだけ話題になっているけれど、数年前のあの「事業仕分け」の時には、この件は問題にならなかったのだろうか。あれだけ政治主導で好き勝手やった事業仕分けで、問題にならないどころか、彼らの与党時代に「前向きに進める」という、言ってみればそれまでのゼロ回答がプラスに転じたわけです。その時には、すでに加計学園を中心にした新学部設立という提案も何度かされていたわけで、誰もそれに疑問を持たなかったというのは凄く不思議。岡山選出の民主党議員が進めていたからお目こぼしされたというのであれば、それはそれで問題なはずなんですが。いずれにしても、野党が与党を追及するネタとしては、まだ森友学園問題の方が何かビックらポンがありそうな気がするけれど、あっちはあっちですねに傷持つ議員が民進党にいるから責めづらいのだろうか。だったら、最初から手を出さなきゃ良いのに。そう言う判断が出来ない、甘い、というのが致命的な気がする。

0 件のコメント:

コメントを投稿