2017年5月3日

印刷する化粧

パナソニックが、極薄シートに化粧品を印刷して、それを顔に貼ることでシミとか等が隠れるという技術を開発したという記事。顔認識技術に微細印刷や定着技術とか、いろいろなコアコンピテンシーを組み合わせて新しいニーズに合わせた商品開発をするという、なかなか面白い話題。ただ、結構大がかりな鏡で顔の状況をセンスしたり、一度印刷した極薄シートを一日おいて定着させてから顔に貼るなど、ちょっと使い勝手はまだ改善の余地がありそう。個人的に記事から不思議なのは、そのシートを顔に貼る時の位置決めはどうするのだろうか。まぁ、例えば顔に丸いシミがあったとして、それを隠すためにそれよりも大きな極薄シートをその上から貼るだけだからそんなに精度の高い位置決めは必要なのかもしれないけれど、それでも肌の質感をそれなりに再現して印刷しているのならば、境目の部分は結構微妙になりそうな気がする。

皮膚に近い、あるいは皮膚と一体化する極薄シートにも意味があるんだろうけど、この技術をもっと進めたら3Dプリンターで直接顔に印刷する=化粧する、という方法に行き着くのでは。そうなると、印刷しながら逐次様子を見ながら途中で変更してみたりすることも可能だろうし、場合によっては入れ墨を印刷するとか、わざとアクセントでほくろを印刷するとかも可能になるかも。さらに言えば、顔料に微細物質を混ぜて厚みを付けることで、例えば少し顔の表情を変更したりする事も可能になるかも。

「印刷=化粧」だけで無く、どうせ3Dプリンターで顔に直接印刷するのであれば、例えば逆に顔にその化粧を洗い流すような印刷をしても良いだろうし、場合によっては皮膚美容とかフェイスケアにも利用出来るかもしれない。さらにその3Dプリンターの形状を工夫すれば、顔だけで無くて手とか足とかにも同じような事が可能になることだって不思議じゃ無い。化粧品を塗布する代わりに、その中に例えばISP細胞を混ぜておき、例えば怪我の場所に「印刷」すると、通常はその怪我が化粧で見えなくなるけれど、暫くするとISP細胞が定着して怪我の部分が復元されて、元の状態に戻るようなことも可能になるかも。

そう言う意味で、今回の技術の延長として、人間の体のような不規則な立体面に対して自由にかつ正確に印刷出来る技術が開発されたら、その応用範囲はかなり大きくなりそう。その次には、その印刷する時の顔料の内容に、今回の様な化粧品の成分だけで無く、医薬成分とか人を補正するような人工皮膚やISP細胞をそのまま塗布できる技術とか出来たら、今の治療技術や医療技術がかなり様変わりするかも。ある意味、医療費の圧縮にもなるかもしれませんね。その分医療従事者はもっと技術を磨かないと行けなくなるだろうけど。

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