例のオーバーブッキングトラブル以来UAバッシングが止まらない。理由はどうあれ、暴力的に無理矢理乗客を降機させることは論外だけれど、ただ誤解も含んだ間違った認識が広がっていることも確か。これもそんな話の一つじゃ無いかと思うのが、勝手にシートを移動した自らの結婚式に向かうカップルを降機させた件。ただ、この話、この日本語での記事を読んでも一寸腑に落ちない。全体的な印象としては「またUAがやらかした」という印象を受けますが、このカップルの行動が不明だけれど、今回はこの二人の行動にも問題があったのでは無いかという気がします。
ますUA1731便を調べてみると、ヒューストン(IAH)から南米コスタリカのリベリア(LIR)に向かうもの。使用機材はB737-800なので、小型機による短距離国際線のフライト。だから運用は先日のオーバーブッキングの時のようなリージョナルジェットへの委託ではなく、UA本体のクルーでしょう。で、このカップルは24B/24Cを予約していたところ、24Aの乗客が3席を占有していたので、21B/21Cへ移動し、それがクルーに注意されて最終的に連邦保安官に降機させられたという話。
シートマップを見ると、24B/24Cは主翼の上あたりのエコノミーの席。で、3列前の21B/21Cはエコノミープラスの最後列の席何ですが、もう一つ注意しないといけないのは、この列と一つ前の列は非常口横の席だという事。その分前後のシートピッチに余裕があるけれど、ここに着席する場合は予め非常時の対応が可能な事を確認しないといけない。通常は手順など非常時の対応が書かれた紙を出されて、これを理解して実行出来るかとCAさんが確認するわけですが、それが出来ないあるいは不能だと判断されると、この席には着席できません。二人の言い分では、自分達の席は24Aの乗客が横になって占拠していたので、21B/21Cに移動した。ちゃんと差分の料金は払う、と言うようなことを言っていたらしい。でも腑に落ちないのは、まだ出発前なのにアームレストを揚げて横になっていたなら、その乗客を起こして座ればいいわけです。と言うか、離陸までは起きてちゃんと座らないといけない。だから、彼らがシートを移動するのは100%自分達の勝手なわけです。
一つ腑に落ちないのは、アップグレード料金の支払いを言ったけれど拒否されたと言う事なんですが、これは想像だけれど、このカップルと一緒の友人達は出発ぎりぎりに搭乗してきたようなので、既にアップグレードの処理が終了していたのかもしれない。また、離陸直前で、本来は乗客全員がシートに着席していなければならない時に、座席の移動で騒いでいて、だからトラブル処理としてCAさんは扱ったのかもしれませんね。さらに、ここは非常口の席なので、何らかの理由でCAさんが不適格と考えたかもしれません。例えば、結婚式に向かうフライト途中という事で、アルコールで酔っ払っていたとか。いずれにしても、この20列、21列に関しては乗客が勝手に着席して良い席ではないし、仮に座席指定でここを指定していもCAさんが不的確と判断すると移動させられる席なわけなので、そう言う意味でこの件に関してはこの二人の乗客の行動に何か問題があった可能性の方が高い気がしますね。
UAのサービスレベルは決してANA程高いとは思わないし、自分も疑問符が付くサービスを何度か受けたことがあるけれど、一つ言えるのはセキュリティに関しての意識は、若しかしたらANAのCAさんより厳しいかもしれない。日本だと、どうしてもお客様の我が儘を聞いてしまいがちですが、UA等米系の場合は良くも悪くもマニュアル通りに進めるわけで、そう言う意味で今回の様なケースが、仮に非常口横の席に関しての安全確認が理由で発生したと思うと、結構腑に落ちる話になると思います。まぁ、UAも当分は痛くもない腹を探られることは覚悟しないといけませんね。
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