2017年4月26日

現金販売

普通「現金販売」と言えば、ものの売買をその場で現金決済することだったはずが、現金その物を商品として販売することがここ数日注目されています。メルカリなどは、現金の販売を禁止したけれど、そしたら今度はSuicaにチャージしたものを販売する。Suicaの場合、上限2万円のはずなんですが、3万円とかと言うものも合って、これはこれで詐欺じゃ無いのと思うけれど、まぁ現金その物よりは直球では無いけれど、でも違和感を感じます。で、この方法も規制が掛かりそうとなると、多分今度はパチンコの換金システムである「三店方式」をやるんじゃ無いかと思っていたら、本当にパチンコの「特殊景品」を売買するシステムが既にあるらしい。もうね、人間窮すれば通ずじゃないけれど、まぁ悪知恵は沸いてくるものだと感心してしまう(笑)。

で、今回のメルカリの騒動を見ていて思い出したのが、30年位前アメリカに出張中によく利用していた「Cash Advance」というサービス。これ、見た目はクレジットカードのキャッシングみたいなんですが、一寸違う。当時は、近くの銀行に行って、"US$300, cash advance please."とか言うと、書類みたいなものにサインをして、自分のクレジットカードのスタンプを取り、そして現金でUS$300を渡してくれます。確か手数料で何%とか上乗せされたから、実際にはUS$300では無くて、クレジットカード会社にはUS$310とか請求されていたと思うんですが。これ、当時凄く不思議でしたが、何度か利用して閃いたのが「銀行に行って、クレジットカードで現金を勝っていると思えばいいのか」ということ。いゃ、それってキャッシングでしょと言われるだろうけど、金利は付かないんですよね、クレジットカード側に。本当に、服とか靴を買ってTax込みでクレジットカードで精算するのと同じように、銀行で現金を買うもの。当時はトラベラーズチェック(T/C)を出張時に渡されていたけれど、確か上限が決まっていて、自分のように月単位の出張の場合は結構早く無くなってしまう。また、お店によっては現金への交換作業を嫌がって扱ってくれない事もありましたし。ですから、最初はT/Cを利用したけれど、何度か出張してこのCash Advanceを知ってからは、T/Cは貰わず全てこちらで賄いました。唯一の難点は、ATMからは利用出来なくて、兎に角手近な銀行のフロントで手続きする必要があったこと。それでも、当時のアメリカの勤務形態って結構アバウトだったので、一寸時間が空いた時にオフィスを抜け出して銀行に行って処理できたし、幾つかのオフィスにはその建物の中に銀行や金融機関が入っていたりしたから、そんなに不便じゃ無かったですね。

Cash Advanceは、本当に現金をカードで買う事でしたけれど、今回のメルカリはその手順こそ同じだけれど、2万円分の現金を3万円で売るような、明らかに現金融資の迂回方法。でも、パチンコと同じ三店方式で換金されたら、今の法律上取り締まれないんじゃ無いだろうか。それこそパチンコを違法として三店方式自体を禁止しないと。一方で、こう言うニーズが存在するのは、兎に角日々の現金が必要な貧困層が存在している事も理由なわけで、単にこの仕組みを無くしただけでは見た目の正常化は出来ても本当の意味での正常化は出来ない。そう言う背景も含めて、こう言う現金売買やそれに類する行為についての判断をしないと、結果的に目立つ悪は無くなっても、沢山の小さな問題は野ざらしに放置されてしまう結果になりそう。

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