2017年4月24日

半可通?

先日、とある番組を見ていた時、日本でのIR推進法案(通称「カジノ法案」)がテーマになり、韓国やシンガポールなどの実例が紹介されていました。シンガポールのマリーナベイサンズのカジノでは、既に日本進出を目指して日本人をディラーとして30人位雇って教育していたりとか、韓国ではセガサミーがカジノ併設ホテルへ出資していて、ここでは100人位の日本人がOJTも兼ねて仕事をしているらしい。これも日本での統合型リゾート開設に向けての布石らしい。個々で画面はスタジオ映像に切り替わり、MCとコメンテーターとして参加していた有名な米国で活躍するお医者さんだったかな、その方などの映像となります。ここでMC氏が、アメリカでも(西の)ラスベガスとか(東の)アトランティックシティとか有名な場所以外にも、色々なところにカジノがあって、それはどうもネイティブインディアンの住んでいる場所と重なっているらしいですね、と話をコメンテーター氏に振ります。でもコメンテーター氏には馴染みの無い話題だったらしくて、「えっ、そうですか」みたいなちょっとビックリしたような様子で、何か有耶無耶消化不良のまま番組は進んでいきました。

私自身、日本でギャンブル系は一切やらないし、海外でそう言うカジノなどを利用したことも無い人間で、だからカジノの専門家と言うわけでは無いけれど、アメリカの歴史とか背景みたいな話は好きです。その中で良く話題になる物の一つが、アメリカのネイティブインディアンの保護政策に関しての話。もともとはネイティブインディアンの土地だったアメリカ大陸に、ヨーロッパから植民目的や宗教迫害から逃れて渡ってきたアングロサクソンが、所謂今の「アメリカ人」の祖先。段々開拓が進むにつれて、元々のネイティブインディアン達は居住地を追われて迫害されていきますが、その後民主主義が進むにつれて、それらは返還され、そのインディアンの土地は特別保護区みたいな場所になっていて、しかも彼らの生活保護目的で税制など優遇されていることも有り、実はネイティブインディアンのビジネスは、凄く巨大になっているところもあるようです。その中でも、カジノビジネスは手軽にしかも利益が大きいというので、各地に存在しているというのは良く聞く話。一説には、昔の恨みをカジノでお金を巻き上げることで憂さを晴らしている、と言う事も聞いたけれど、まぁそれは話半分だろうけど。

言い方は悪いかもしれないけれど、日本で宗教法人に税制優遇措置が有り、結構ビジネス的に大きなものがあるのと同じような事が、アメリカで起こっていると思えばそれ程違いは無いのかも。誰でも知っている話では無いかもしれないけれど、向こうでの生活が長くて主流の人ならそれなりに聞く話だろうと思うんですけどね。其れ以前に、そう言う話をフルという事は、番組側もその話題を予め台本に仕込んでいたのだろうから、その当たりのネゴくらいは事前にやっておけと小一時間。ただ、それでネイティブインディアンとの関連性を話題にしたところで、日本のIR法案との関係にどう影響するのかだろうか。先にも書いたように、宗教法人がIRビジネスに進出した場合の危惧を言うのだろうか。でもそれって、多分完全に「自主規制」が掛かりそうな話題だと思うけれど。

多角的な視点での意見や批評を提供することは、情報番組として、あるいはメディアとして必要だし重要だと思うけれど、だからといって有名だからという理由だけで専門外の話をさせたり、何かコメントを出させるのは止めて欲しい。昔はそんなことはほとんど無かったと思うけれど、最近は有名人とか芸人がしたり顔でコメントしたりしているのを見るに付け、「あぁ、信用しちゃいけない話だな」と裏撮りするようにしています。そう言う意味で、判断基準としては信用できるのか(マテ)。半可通ほど怖いものは無いと言うけれど、本当にそう思う。分からない、知らないなら、黙っているか「分からない」というのが正しい姿ですからね。

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