2017年4月24日

ソーラーシェアリング

鳩山元首相が「畑や水田の上にソーラーパネルを設置すれば、作物も育ち太陽光発電の収入も得られる」と発言して炎上状態に。この人の言う事は信じちゃいけない類とは思うけれど、「ソーラーシェアリング」という言葉は初めて聞いたので一寸調べてみることに。

「一般社団法人ソーラーシェアリング協会」という所が推進しているようですが、ソーラーパネルを地上から3m位の場所に設置して、上空で発電しつつ、その下の土地では耕作して農作物を栽培するというもの。太陽光パネルで発電しつつ、太陽光を下の作物にも提供しないといけないから、パネル自体は我々がよく見るものよりも小さく短冊状になっているもの。また、細い支柱をある程度の間隔で設置してパネルを保持しないといけないから、地上部分も制限を受けるのは仕方ないのかも。

これを見ると「太陽光発電しつつ作物栽培も」という鳩山氏の発言はまんざら嘘では無いと思うけれど、でも彼が言うようにこれで農業も出来原発もいらなくなると言うまでには少しハードルが高そう。先ず農業にしても、どうしても支柱回りは制限を受けるので、その土地丸々耕作地になるとは限らない。上手く畔とか畝をこの支柱に沿って設置すれば、生産量への影響は極力少なく出来そうだけれど、トラクターとか農業機材を入れる時には注意が必要そう。あと、この構造だと水田では無理じゃ無いかなぁ。高い位置にそれなりに重たい太陽光パネルを設置しなきゃいけないから、結構支柱の土台部分はしっかりしないと拙いでしょう。水田の場合、そこまで出来るだろうか。結構無理がある気がする。

太陽光パネルも、通常のものよりも小型のものを使用するみたいなので、単位面積当たりの発電量も少ないだろうし、買い取り価格も下がっているから、投資効果はどうだろうか。多分作物用の日照を確保するために、パネル設置間隔もまばらにするだろうから、設置面積も同発電量の通常の設置方法と比べてまばらになるだろうから、例えば集電するケーブルの引き回しとか、逆にコストアップや効率低下する場合も有るような気もしますしね。パネルが設置される部分の支柱の構造を、もう少しアーチ状にして剛性で支え合うようにして無支柱化にするとか出来ないのだろうか。いずれにしても、アイデアとしては面白いし実用性も高いと思うけれど、実際に設置して運用するにはまだまだ工夫が必要じゃないだろうか。

太陽光発電の問題点は幾つかあると思うけれど、その中で太陽光パネルを設置するためにわざわざ土地を開墾することで逆に自然破壊を招いている場合が有る事があります。休業したゴルフ場跡地を有効利用するとか、既に廃業した工場の敷地跡に設置するならまだ分かるけれど、広い場所を確保するために山の斜面を開梱したり、大規模な原野開発をしたりすることで、その場所の自然環境を破壊しながら自然に優しい(?)太陽光発電パネルを設置するという矛盾を招いているという問題。それに比べたら、このソーラーシェアリングはまだ遥かに自然にも環境にも優しい気がするけれど、一寸無理がある気もしますねぇ。工事費がどれだけ掛かるか分からないけれど、畑の中央に太い支柱を一本設置して、吊り橋のように上からつるすとかどうだろうか。真ん中だと邪魔になるなら、対角線上に四角い土地の二箇所に太い柱を立てて、そこからその土地にあった四角いフレームを上からつるして、そこにパネル設置したらどうだろうか。そうしたらパネル下の土地には邪魔な支柱は入らないし、メンテナンスが必要な時にはフレームを降ろして地上で作業出来るし、作物によってはフレームの高さを上下して調整できるだろうし。角の柱の強度が問題になりそうですけどね。

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