2017年4月16日

現代版パーソナルチェック

みずほ銀行が、大手銀行では初めて独自の電子マネービジネスに参入するという記事。すでに、iD/Edy/Suica等で電子マネーを何年も利用していて、その決済で銀行の口座を使用しているから一寸変な気もするけれど、それらの電子マネー実行者は銀行とは関係無い第三者なわけで、銀行はその企業に対して出勤業務をしているだけ。そう言う意味で、銀行にはその手数料は入るけれど、それ以上の旨味はないわけで早晩銀行がこう言うビジネスに手を広げることは確実と予想されましたからね。

で、この仕組み、私なんかの世代だと多分「あぁ、パーソナルチェックだ」と思う人も多いので。日本ではほとんど無いと思うけれど、アメリカなんかではクレジットカードで決済するような金額(大体US$50~100以上)よりも少額決済の時に使う「個人小切手」と呼ばれる物。自分の口座がある銀行からこの個人小切手帳を受取、例えばスーパーなどでの買い物の時はレジの所で表示された金額をこの個人小切手帳に書込、それを渡すことで支払い完了となる仕組み。現金を持ち歩かなくても良いし、少額決済でもOKだしということで、昔はよくみた仕組みでした。旅行者用には「トラベラーズチェック」という同様の小切手のようなものが合ったけれど、これは定額のチェックを購入する物で、だからUS$50とかUS$100と言う金額が印刷されていて、スーパーなどで使用すると現金でお釣りが戻ってきます。結局現金が行き来することや、その後銀行で換金しないといけない手間などで、断られることも多いシステムでした。

その個人小切手帳をアプリに振り替えれば、今回の仕組みはパーソナルチェックその物。この個人小切手に金額を書き込んで、普通に封筒に入れて送ることもやってましたからね。現金でないから現金書留ではないけれど、そのまま銀行に持っていけば換金出るわけで「危険じゃ無い?」と思うけれど、外から見ていると単なる請求書の封書なのか個人小切手の封書なのか分からないから、それ程気にしないらしい(アバウト-笑)。あと、利用者には便利かもしれないけれど、スーパーのレジで並んでいると、結構ちゃんとしたご高齢のご婦人が、レジで「幾ら」と表示されてから、鞄の中から個人小切手帳を取りだし、ゆっくりと金額を書込、それを渡してという作業がなかなか手間取っていて、慣れていない日本人なんかにすればイライラするわけですが、向こうでは当たり前なので文句は出ないけれど。

銀行側にしてみれば、アプリ一つで後は実際に現金の移動はなくてデータだけ処理すれば良いから楽。販売店側にしても、既存電子マネー端末のような専用端末でなくても、iPadやスマホでQBコードやバーコードをスキャンするだけだから簡単。10年、20年前だとかなり大がかりなシステムを作り込む必要があったのが、今ではLTE回線とカメラ内蔵端末があれば直ぐに店舗側システムが完成してしまうわけで、これは大きいですよね。特に、固定店舗ではなく露店だとフリマだとか、外や移動式の店舗で利用するにはこちらの方が簡単便利だろうから、そういう所に訴求していくのが一つの方法でしょうね。ただ、ユーザー側の問題としては色々な決済手段が出来るのは良いのだけれど、それらが乱立してくると一体何を利用すれば良いのか混乱すること。自分の主要銀行がみずほ銀行なので、このサービスが始まったらインストール位はするけれど、問題はどこで利用出来るかですよね。固定店舗だと、既に既存の電子マネーを導入しているだろうから、そこでわざわざこれを使う理由も無いし...  利用者側、店舗側、どちらにどの様なインセンティブが出るのか、それが大きな利用判断の切っ掛けになりそう。

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