2017年4月14日

勘違いと誤解

UAのオーバーブッキングの話題は、まだまだ世界中で騒ぎになっているけれど、日本の情報番組等を見ていると、本来の問題とは別に、飛行機利用時のトラブルとか、特にアメリカ系の場合の労働規約みたいなものに対しての不満までが、今回のトラブルを契機に噴き出している感じで、それは一寸違うだろうという突っ込みを入れたくなるくらい。

とある番組では、乗り継ぎ時間が短くて必死に空港を走ったけれど待っててくれずに、搭乗できなかったという話をしているけれど、これはミスコネクションの問題なわけで、今回の話とはまた別。USの国内線から日本への国際線への乗り継ぎだと思うけれど、当時でも乗り継ぎ時用客の把握はしていたはずだから、よほどぎりぎりだったんでしょうね。ギリギリになった理由が、国内線の遅延なのか何なのか分からないけれど、正直米系の航空会社はこのあたりドライなのは確か。ANAとかJALだと、乗り継ぎ客の情報を把握して、GSさんがゲート前から誘導してくれるけれど、USではそんな光景見たこと無いなぁ。まぁ、確かにUAの対応は日本人からしたらドライというか冷たいというか不満満々なんだけど、それを文句を言っても仕方がない。

あと、空港で飛行機が遅延したときに、係員が「もう定時だから終了」みたいな話で、その後滑走路で延々待たされたのに怪しからんみたいな話をしている人もいたけれど、USの場合労働組合が強いですから、日本のように勝手に残業してサポートするという訳にもいかない。自分勝手と言うよりも、そう言うことをすると逆に労働組合からその人が処罰されるわけで。また、良くあるのが遅延をしたために、そのフライトに搭乗予定のパイロットやCAさんの勤務時間が超過してしまい、代わりのクルー到着までさらに待たされる事。私も以前シカゴから成田に戻るときに、その機体にトラブルが発生して3時間位遅延したことがありました。で、園なり待機に搭乗予定のクルーは、そのまま搭乗してしまうと労働規約違反になるので、成田行きの1時間後くらいに出発するドイツ(フランクフルトだっけなぁ)便に搭乗して出発。代わりに、そのドイツに行く予定のクルーが遅延した成田便に搭乗して、そのまま一緒に成田に行ったんですが、ゲート前ではCAさん達が集まって慣れない和食の盛り付けのマニュアルをみんなで見て(と言っても、コピーでしたが)、ああでも無いこうでも無いと下調べしていたのがちょっと面白い光景でした(笑)。まぁ、機内で和食膳をお願いしましたが、確かに「をぃをぃ」という感じだったけれど。特に安全管理に厳しいクルーの場合は、日本でも同様に勤務時間とかインターバルとか厳しく決められているはずなので、同じような事は発生するでしょうね。

労働時間について、残業の削減とかいろいろ話が出ていますが、時間制の仕事をする場合は結局こう言う「何処かでバッサリ切る」みたいな事を許さないと、ズルズルと残業する事が続いてしまいます。そうなった場合に対応出来るように、予備のクルーを用意しろという話になると、その分のコストアップするわけで、それは今度は料金に反映されてくるでしょう。そうなると、料金がアップするのと、そう言うリスクはあるけれど、今のままとどちらが良いのかという話になってしまいますしね。自分のように、飛行機が好きでFFPが好きで飛び回っている、飛行機や航空会社の事情にある程度精通している人間はある意味特殊な人間だけれど、そんなに飛行機に乗るわけでもない、普通の人から見たら、やはりトラブルに対しての不満は大きいでしょうね。特に、日本の場合はサービスが手厚いですから、それしか知らない場合も米系のキャリアーを利用すると「何だこれ」になるのは仕方ない。でも、それが嫌なら別のキャリアーを利用するのが、「選択の自由」なんですから。

今回、UAとしては手順通り対応したと思って居るのは確かで、それはそれで間違ってはいなかったけれど、搭乗済みの乗客を降ろすというのは問題なのも確か。さらに、その後のメディア対策も拙い点もあるわけで、その当たりはちゃんと今後のことも考えて対応しないとですね。既に一度下がったUAの株価も持ち直しているみたいですが、アメリカでは飛行機は日本の自家用車以上の「足」な訳で、しかも3大エアラインを利用しないと凝る人も多いわけで、この問題も早めに沈静化していくでしょう。ただ、私もUA MP 1Kで今後も利用する機会は多いと思うから、問題だと感じることがあればちゃんとUAに対してフィードバックしたいなと改めて感じます。これまでよりは、少し聞く耳を持ってくれることを祈って(笑)。

0 件のコメント:

コメントを投稿