新指導要領に「銃剣道」が追加(?)されたという騒動。それは報道した朝日新聞の誤報で、実際は、柔道・剣道などの「武道教育種目」に銃剣道も元々含まれていたものが、競技人口の減少などで削除されそうになったために、それを回避して明記した物らしい。つまり「追加」ではなく「確認」であり、戦前の云々とは全く関係無い話。その背景とか内容よりも、「銃に似た木製の棒で戦う」という事で反応しちゃう人達が騒いでいるんだろうけど、「戦前の云々」と言い出したら、それこそ武道全部そうだろうし、そう言うことには言及しないところが、アッチ系メディアの怪しいところ。で、それに新潟県知事も乗っかったというお粗末。
実は、今回の記事を読んで個人的にビックリしたの、そう言う思想的な背景とか正直初めて聞いた「銃剣道」という名称では無くて、そういう多分非常にマイナーな競技であるこの種目ですら、競技人口が「3万1000人」いて、国体の種目にもなっているという事。アメリカンフットボールの国内競技人口は2万人前後と言われているから、1.5倍も多い。ましてや、国体競技ですら有りませんし。以前文部省(当時)だったか、国内スポーツの競技人口の資料を見たことがあって、確かフラッグなどは含まない、ヘッドギアとショルダーを着用した所謂「アメリカンフットボール」の競技人口が、高校生以上で2万人強程度。種目順位で行くと、本当に聞いたことも無いような競技名と並んでリストされていてショックでしたが、その状態は今も変わらないんですよねぇ。確か当時は、まだ企業スポーツとしてXリーグにも半分以上は企業チームが所属していた時代だったと記憶していますが、それだけ企業の後押しがあってもその程度だったのかと。
一口にスポーツと言っても、千差万別なわけで、その中でも野球とかサッカーとか、「スポーツビジネス」として競技を支えている物もあるし、フィギュアスケートの様に選手自体の魅力で支えられている物もあります。先日地元のテレビ局の夕方の番組を見ていたら、静岡県の中学校では今バレー部がどんどん廃部されているそうでビックリ。特に東部の学校が著しいらしく、浜松など西部ではまだ中学校にもバレー部は残っているらしいのだけれど、廃部になった地域では学校の「クラブ活動」ではなく、地域の「スポーツクラブ」の形態で色々な学校の生徒が集まってバレーをやっているらしい。バレーボールなんて、自分から見たら野球やサッカーに続く、第二グループの中のメジャースポーツという認識でしたが、それでもそんな状況になっているんですよね。そうなると、銃剣道しかり、アメリカンフットボールしかり、マイナスポーツのサバイバル術を真剣に考えていかないといけない。
個人的には、アメフトの場合は選手としてプレーする以上に、コーチやスタッフとして、アナライジングしたりプレーを考えるような所って、ビジネスにも直結する良い修行場所だと思うので、そう言う点を強調するのが一つの方法かと。銃剣道も、他の武道も同様でしょうけど、今の時代とは一寸そぐわない競技形態ながらも、それを精神鍛錬とか作法という物に消火させることで、競技としての存在意義を生み出して継続使用としている。スポーツの本来の意義を見直しつつ、その中に付加価値を付けて成長させるという、難しい課題はどの競技にもあるんでしょうね。そう言う意味では、今回の騒動は関係者には不愉快だったかもしれないけれど、競技の生存方法を見直す良い機会になったのかも。うちも、安閑としていられないけれど...
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