2017年3月7日

フィジカルデバイド

コンビニのネットプリント機能を利用した、アート作品の新しい発表方法。ネットプリントサービスが始まった頃は、それまでの店舗でのコピーサービスの延長だったから、イベントのチケット販売等の中心。それが、個人的に思うのは写真の印刷サービスが始まり、高品質印刷が可能になった頃から、こう言う種類の印刷も登場してきた気がします。電子書籍を印刷して製本して提供してくれるサービスが登場したときに、あぁコンビニのプリントサービスでもそのうち同じような事が出来るんじゃないとか思っていましたが、製本が必要無い印刷媒体配布サービスっていうのも幾らでもあるから、そういう所に特化していくのも良いかも。特に漫画のようなコマ割りの印刷物なら、別に閉じていなくても言い訳ですからね。

ただ個人的に幾つか引っかかることもあって、その一つがこの方法だと印刷する時の手数料はお店側に入る物だから、作者に還元する方法が無いんじゃないかと。でも、ネットプリントのサイトを見てみると、プロ野球選手の写真とかアニメのキャラクターとかもコンテンツにあって、通常プリント料金よりも高い150円とか200円に設定されている。つまり、幾らかは登録者に還元される仕組みがあると思えば良いのかな。ただ、じゃぁ個人の作家が自分の作品をネットプリントで販売するためにどの様な手続きが必要かは分からないけれど。そう言うエコシステムが有ってちゃんとビジネスとして機能しているなら凄く良いと思いますが、でも個人まで開放して好き勝手にデータ登録されたら、ネットプリント側のサーバーもたまらないだろうから、やはり法人契約のみだろうか。

あくまで自分の作品を使って欲しいと言う気持ちの人は良いだろうけど、ここからある程度の収益を上げたいという人もいるはず。これを呼び水として、例えば一般書店で自分の本を買ってもらうというスキームも有るだろうけど、それだと余り意味が無い。一つ思うのは、例えばネットプリントの印刷機が「手差し印刷」をサポート出来れば、作者指定の紙に印刷する事で、その印刷用紙の販売価格が作者に還元されるような仕組みって出来そう。それに、その印刷用紙の紙質によっては作品に対しての要素にもなるだろうし。勿論、プリンター側にすれば、手差し印刷は良いけれど、それって当然トラブルの元になるし、大体印刷可能な用紙って普通は表面が綺麗な物だから変な紙を入れられて印刷品質が落ちたら困る。

対案としては、例えばネットプリントで転写用紙みたいな物に印刷出来れば、それを自分で好みの紙にデザインを転写することで、また別の「作品」になるかも。あるいは購入した紙にも予め印刷している部分があり、それと転写印刷したものを組み合わせると、別のパターンとか違う作品が出来るなんて言う楽しみ方も有るかもしれない。そう言う意味では、事前に印刷された物を販売するこれまでの書籍の形態から、電子書籍というステージを通過して、今度は自由に印刷物を組み合わせると言う、次のステージに進んでいると言えるかも。ふと思ったのは、これって印刷物のiTunes化ではないかということ。そのアーティストの好きな作品だけ選んだり、ジャンルを超えて自分の好みのヘビロテを構成できるように、印刷媒体でも自分の読みたい記事、好きな作家の作品から選ぶとか、また違った楽しみ方が出来るかもしれない。もっとも、その為にはますますネットプリントのプリンター機能が増強されないといけないけれど... ゼロックス、安泰かも(笑)。

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