2017年3月3日

「繋がる」ということ

インターネット接続機能を内蔵したぬいぐるみから、個人情報が流出した事件の記事。記事の中では、このぬいぐるみの持つネット接続機能に関しての脆弱性を指摘しているけれど、これって突き詰めればIoTとしてネットに繋がる全てのデバイスに言えるはなし。ちょっと前だと、自宅に設置したWi-FiのAPで、デフォルト設定のまま使用していたため、既知のパスワードやIDを利用されて乗っ取られるケースが多々あるけれど、それと同じ話ですよね。今回の場合は、クラウド上に保存されていたデータ管理が甘くて、それがハック可能であったことからの流出だけれど、そのクラウドのデータ管理をもっと厳密にやっていたとしても、クラウドとのデータ交換時のセキュリティはどうなっているのか、あるいは縫いぐるみ自体にアクセスしてハックする事も可能かもしれない。

これって、実は今回の縫いぐるみだけの問題では無くて、最近話題のIoT対応デバイス全てに言えることなんですよね。ネット接続機能を持ち、しかもIoTデバイス側にCPUやメモリーなどの演算処理部分を内蔵していて、相互にデータ転送をする場合、可能性としては外部からのアクセスが可能なわけで、それをどれだけ蓋をするかというのは今のところ確実な方法は無いのが現実。先日若い人とちょっと話をしていたら、IoTの中でも複雑なデバイスなら分かるけれど、単純にデータを送受信するだけのような物なら大丈夫みたいな事を言ってちょっとビックリ。私が仕事をするときの「パソコン」なんて、4K Byteとか8K Byteとかで動作していたし、そのリソースだって、下手したら今の電卓以下の仕様かもしれない。少なくとも、スマホとかiPhoneとかだと、当時のパソコンはおろか、ちょっとしたオフコン(オフィスコンピューター)やミニコン(ミニコンピューター)クラスの能力があるんじゃないだろうか。

「繋がる」というのがIoTデバイスの一番の命題だと思うんですが、その為にはネット接続が必須になると共に、異なる種類のデバイスや異なるメーカー同士のデバイスであっても、共通のI/Fなりプロトコルで相互に通信(データ交換)出来るようにしないといけない。つまり、それだけアクセスする障碍が減り、しかも内部の構造も知りたい人には分かりやすくなるわけで、リスクは大きくなるんですよね。さらに言えば、パソコンの台数に比べてIoTデバイスは多分その何十倍何百倍も世界中にばらまかれるわけで、さらにそのIoTデバイスが担う機能は再分化されてより身近になるはず。つまり、他人のデータを必要としている人間にとっては、より機会が増えてかつ目的に適したデータが世の中に氾濫していくことになるとも言えます。

で、単純な装置だけにアクセスも簡単だけれど、対抗措置を入れ込むにはリソース的に厳しい事が多いだろうIoTデバイス。今のPCベースのネットワーク体系がそうであるように、こんな監視デバイスを入れることで、全体のセキュリティを高めるという発想は自然ですよね。言ってみれば、人間社会の人間一人一人がIoTデバイスとすると、その中に警察があって警察官が日々の安全を担保しているような物。そういう意味で、個人的にはこう言うデバイスを「交番デバイス」と呼んであげたい(笑)。で、交番で住んでいる内は良いけれど、ネットないでの騒動が大きくなり、所謂「サイバー戦争」なんていうことになると、「自衛隊デバイス」なんていうのも登場するんだろうなぁ。いゃ、個人向け製品だと「セコムデバイス」か(マテ)。いずれにしても、人間社会でも、色々な人との関係を広げていくことは、利益もあるけれど、いろいろな摩擦も増えていくのも事実。ネットの社会も、それは同じという事なんですよね。

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