2017年2月24日

違法建築

豊洲への移転が頓挫しつつ有り、再び築地市場へ注目が集まる中、何故か10年以上も許認可を得ずに建物が使用されていたり、耐震基準を満たされない施設などが判明した築地市場。開放型施設のため、荷物の搬入などで出入りするトラックの排気ガスや、周辺道路からの排気ガスによる空気汚染にくわえて、施設の老朽化による鼠や野良猫などの衛生問題、さらには露水や雨漏りなど、これまでも色々な点で問題点を指摘されつつも、何故かそう言うことは大きな話題にならずにここまで来た築地市場ですけど、耐震問題は重要でしょう。仮にある程度の大きさの地震が発生した場合、施設のかなりの部分が被災すれば機能自体が停止し、しかもそれが長期化する可能性もあるわけですからね。その場合、多分築地に市場を再建築するためには、何年も時間が掛かるだろうし、その間に仲卸などの流通システムは既存の大田市場などに分散して、仮に再建されてもわざわざ戻る業者さんは少ないのでは無いだろうか。

そういうリスクを考えると、豊洲市場は耐震設計も満足しているわけだし、問題になっている地下水の汚染基準だって、別に施設内で使用するわけでも無く、そのまま廃棄すれば井伊だけで、仮に地震でそれらが地表に沸いてきたとしても、閉鎖施設である豊洲市場では問題無いはず。そういう意味では、この地下水の検査結果をネタに移転を先延ばし先延ばしし、諸依頼的には移転を止めて築地に止まることのリスクと、何かあったときに築地が壊滅して商売自体が無くなるリスクの、どちらが致命的なのかは素人でも分かる話。

疑問なのは、ずっと築地から豊洲への移転話は何年も出ていたわけで、その間なんで築地での検査が見逃されていたのかという事。凄く勘ぐれば、それが話題になることで豊洲市場移転への誘導に繋がると批判されることを危惧したのかもしれないけれど、でもそれって逆効果なわけで、仮に東北大震災の時の余波がもっと大きかったら、築地だって今の状態で入られなかったはず。結果的に被害は少なかったんだろうけど、ここまで放置した責任は大きいと言わざるを得ない。今問題になっている豊洲市場決定の責任者捜しよりも、よっぽど大きな問題じゃ無いだろうか。手続き上の問題は、再度必要な手続きをすれば、帳簿上は問題無いのかもしれないけれど、物理的に問題のある施設をそのまま使用する事は、また別問題。東京都としては、こちらの問題解決を早急に検討する必要があると思うけれど、多分と知事的には豊洲で都議選まで引っ張りたいだろうから、こっちの話は余り大きくせずに、知らない間にフェードアウトしている気がする。

「食の安全」というと、やれベンゼンだ、ヒ素だと話題になるけれど、勿論それらも口に入ることを考えると注意が必要だけれど、今回の様に関係無い施設の外での話で言う事は無駄。それよりも、現実的な物理的な問題の解決を早急にすべきだけれど、ここまでベンゼンで煽った共産党とかメディアはそちらへは振れずに、これからもピント外れな指摘を続けて行き、税金を無駄に使っていくんだろうなぁ。潤沢な財政を持つ東京都だから出来るセレブな政治と言ったら怒られるだろうか。

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