2017年2月24日

とばっちり

大阪の森友学園による国有地払い下げ問題を取り上げる、切り込み隊長こと山本一郎氏のコラム。前半は不透明な取引を取り上げているけれど、主題は二ページ目の「朝日新聞築地本社の土地取引」。1975年に朝日新聞社が有楽町から現在の築地に移転するときに、その築地の土地を浜田山の自社の土地も含める形ではあったけれど、当時の坪単価200万円の1/4程度の坪56万円で払い下げを受けていたという話。最も、朝日新聞だけで無く、読売新聞や産経新聞にNHKなんかも同様で、さらに言えば学校関係なども市場価格よりもかなり安い価格で払い下げを受けている。

例えば学校関係、それも義務教育のための小中学校であれば、これは公立・私立関係無くそれなりの便宜があっても良いと思うけれど、幾らメディアと言っても「一企業」な訳で、そこに便宜を派凝ることは公平では無い。また、仮に学校とか教育機関であっても、例えば有利な金額で払い下げを受け、その後その土地を転配すればその差分は大きな利益になるわけだから、それなりに制限なりは設けないといけないけれど、結果的に転配で利益を得たケースも有るみたい。

今回の大阪のケースは、色々探るときな臭いところもあるし、しかし隣接地も実は安く払い下げられていたとか、結果的に「怪しいけれど、確実にこれが問題という証拠も無い」雰囲気。それよりも、自分の国会の仕事を投げ出して勝手に無意味な視察に行く国会議員の方が問題だと思うけれど、それを置いておいても、どう言う経緯で今の結果になったかは資料なり議事録が残っているわけだから、それを辿れば分かる話で、まずはそこから詰めるべきだと思うのに、いきなり「首相の責任」とか言い出すから話が繋がらない。

さらに追求する側のメディアも、「押し紙問題」という自分に降りかかる大きな火の粉が発生中で、実は余り事を上げたくないこともあるけれど、こちらはこちらで土地問題とは関係無いし、はっきり言って広告主にしてみれば「詐欺」問題ですから、これはこれで追求されるべき話。言ってみたら、粉飾決済みたいな話ですからね。

言ってみれば、「聖人君子」みたいな組織や人はなかなかいないわけで、誰だって良いところもあれば悪いところもある。さらに、意図的にやっている場合も有れば、知らないうちに逸脱していたと言う事もあるだろうし、一概に「今の状況」だけみて良い悪いを言っても真実は分からないし、解決にも繋がらない。問題なのは、今回の土地問題のように、自分の都合の良い「真実」を祭り上げて「事実」を受け入れないことじゃ無いだろうか。「事実は小説よりも奇なり」と言うけれど、それぞれの人が欲する「真実」と異なることも、これも「事実」。自分の思い通りで無いからとせめることは、それはそれなりに必要な行為だと思うけれど、でもその為のゴールは「事実」を理解することで有り、自分の「真実」に到達することじゃ無いはず。もっと悪いのは、その自分の真実を利用して、さらに有利な地位を得ようとしている政治家や組織な訳で、そういう人達を昔は仕方ないと言う事で見逃されていたけれど、今はネットが常に検証していることを忘れると、痛いしっぺ返しを受けるでしょうね。それを分かっているから、山本氏が言うようにメディアもこの問題は及び腰なのかもしれない。でも、それってメディアとしての意味を無くしているような...

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