タイトルに引かれて(騙されて?)読んでみた「5分で分かるMicrosoft Azure」。5分どころか、3分位で2ページ読み終えたけれど、だから何ナノという印象しか浮かばないのは私が未熟なため(笑)。結局結論というか今のクラウド環境の課題は、2ページ目のサブタイトルになっている「オンプレとの親和性の高さ」何ですよね。と言うか、「オンプレとの透過性の低さ」と言った方が良いのか。
卑近な例で言えば、デジタルカメラを自分の環境で利用する場合、これまでは100%オンプレ(ローカルストレージ)だったわけで、手元のHDDとかDVDに焼いて保存して必要に応じて利用していました。これはPicasaを利用していたことにもよるのだけれど、それをGooleのPhotosを利用するようになることで、ある程度クラウドとオンプレの親和性が生まれてきて訳です。ただ、デジカメを利用している間は、データは必ずストレージに入り、それをPCにコピーしてからアップする必要がありました。で、デジカメがiPhoneに変わると、撮影した物が一度はiPhoneに溜まるけれど、そこからダイレクトにPhotosにアップする事が可能になり、透過性は一歩進んだことになります。可能ならば、撮影した瞬間にクラウドにデータがアップされる、というのがある意味究極の姿。確かWi-Fi内蔵のデジカメだと、そんなことも可能だったはず。
で、同じ事を日々の業務の中に入れ込めるかというと、これがなかなか難しい。色々理由や条件があるけれど、一言で言うとクラウドとオンプレのネットワーク的な距離が解決しないと、なかなか難しいような。100%クラウド、100%オンプレなら、まだしも、どちらも混在している場合は、例えば社内からアクセスする場合にはオンプレへのアクセスは早いけれど、クラウドには遅いとか、逆に外からアクセスすると社内のオンプレへのアクセスがゲートウェイで律速されて遅くなる事ってよくある話だと思いますが、これが解けないとなかなか快適に利用出来ない。また、特に外に出てVPNとかで社内システムにアクセスするような場合、クラウドの場合は結構パフォーマンスが逆に落ちるんですよね。ネットワークがVPNで一度車内に入り、そこからクラウドにアクセスしに行くので、結果的にそんなに大きくない社内外のゲートウェイで律速されてしまう。例えば仮想的に社内を経由したみたいな感じで、ダイレクトにクラウドにアクセス出来るようになれば、結構快適で効率的な作業が出来ると思うのですが。VPN等の仮想技術って、そう言うことに本来は使うべきだと思うのだけれど。
一寸前までは、社内システムのネットワークスピードの方が早くて、外部でアクセスするネットワークスピードが遅いことが課題出会ったけれど、最近では下手をすれば外のネットワークの方が早かったりします。そうなると、ネットワークの物理的な速度は以前ほど問題ではなく(使用可能データ量の問題は残るだろうけど)、次の課題はリソースアクセスの効率化というのが課題になるはず。その為の調整というか、チューニングというか、按配というのか、それが多種多様な条件や要件があるから、なかなか一概にクラウドが良いとかオンプレがいいとか言えないんですよね。個人的には、システム全体はクラウドに構築して、それのシャドーというかキャッシュみたいなものを、必要に応じて社内とか地域毎に配置してパフォーマンスを上げたらと思うんですよね。データはクラウドに一元化し、高速化の手段としてネットワークキャッシュを利用する。勿論、キャッシュ間でのデータ整合性の問題とか発生するけれど、昔と違って今はいろいろな技術、特にAIが利用出来るから、使用されるデータの内容や頻度などを学習して、競合しないように最適する、競合が予想される場合は多少パフォーマンスを犠牲にしても同一性を担保するという事が、より簡単にしかし効果的に出来るんじゃないかと。その時は、エンドユーザーから見たら、クラウドもオンプレも関係無く、目の前の端末にあるものが全てという世界が可能になるんじゃないかと。それが、少なくとも現在のネットワーク社会においての一つのゴールじゃないかと個人的には思うのですが。その鍵がAzureかどうかは分からないけれど...
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