2017年1月9日

箱根駅伝考

箱根駅伝三連覇を達成した、青山学院大学陸上部・原監督のインタビュー記事。記事の中心は、「関東学生選抜」の意味についてですが、原監督の言っていることは大体納得できるもの。私も、オブザーバーとしての出場では無く、ちゃんと記録も順位も残る「正式エントリー」としてのチームとして参加するべきだと思いますね。でないと、関東学生選抜チームの選手は勿論、他の出場校チームにも失礼。ペースメーカーじゃ無いわけですからね。この原監督が選抜チームの監督を努めた2008年には、4位に入っていたのは知りませんでしたが、予選会は落選したとは言え力のある選手を関東の大学から集めれば、かなりの戦力になる事は確実ですから、後はチームとしての組織をどの様にしていくかなんでしょうね。今のように「オープン参加」では、選手のモチベーションも上がらないだろうし、大体個人記録も残らないのでは、それって単なる「箱根駅伝」という名前の観光旅行でしか無いだろうし。陸上競技は記録との戦いのスポーツなんだから、順位が何位であろうと自分が何時間何分何秒でそうはしたのかという事が一番重要なんですからね。

もう一つの意見である「全国大会化」というのも面白かもしれない。ただ、比較的簡単に箱根路で練習できる関東のチームと比べて、他の地域のチームはかなり不利だろうから、最初は大変だと思うけれど。予選会出場も関東以外の地域のチームは大変だろうし。他のメジャー大会で上位に入った関東以外の地域のチームを招待するという形でも良いかもしれない。もっとも、関東の有名校を中心に長い歴史のある大会だけに、そのOB/OGも全国に広がっているはずなわけで、知名度アップというよりは、大会の基盤強化のために裾野を広げたいというのが本当のところでしょうね。

自分も、曲がりなりにもこういうスポーツの世界に一寸片足を突っ込んでいるので感じますが、やはり色々な個性あるチームが切磋琢磨して競い合うところに、ドラマが生まれて名勝負が生まれてファンが増えていくもの。強いチームが幾つかあって競るだけでは駄目。弱いチームが強くなったり、強いチームがアップセットを受けたり、そういう「新陳代謝」がない組織、仕組みは、直ぐに陳腐化します。そう言う意味で、少し前までの常連校が今は予選会に回ったり、そこから本戦に出場できない代わりに、青山学院のような学校が強くなって三連覇まで達成するような仕組みは、健全だと思う。まだまだ足りないところも多いだろうけど、実績を出した原監督やそれに賛同する人達の声は、以前よりも大きくなり届くようになってきていると思う。そう言う意味で、この改革の動きは、まずは関東の陸上から、さらに他のスポーツにも広がり、さらには日本全国に波及していくことを大いに期待したいですよね。その為にも、僅かではあるけれどちょっとはお手伝いを今年もしないといけませんね。

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