米国の次期大統領のトランプ氏が、得意のtwitterでトヨタのメキシコ新工場開設に横やりを入れて、トヨタの株価が大きく下落。よくよく調べてみると、このトヨタのメキシコ新工場は、カナダの工場の代替施設で、カナダからメキシコにシフトしてコストダウンするためのもの。米国内のトヨタ工場を閉鎖して移設するわけでも無く、またこのメキシコ工場で製造されたトヨタ車は、米国以外の北米・南米地域で販売される物なので、米国に対しての影響は無し。仮にこれを許してしまうと、トヨタは米国国内以外の地域に工場を作る度に非難されなきゃいけなくなる。だからトヨタとしては、なんでいきなり難癖付けられるのかと寝耳に水だったでしょうね。それで株価も下がって評価損が発生してしまったら、本当に無責任な貰い事故の被害者ですよね。
本人が知ってか知らずか分からないけれど、こう言うのってもう完全に風評被害なわけで、まだ大統領就任前の私人とはいえ、準公人の立場で有る事は確かなわけだから、もうそろそろ自分の発言の重みというか、言うべき事と言うべきで無いことの区別を付けないと。オバマ大統領が8年前に就任する時、あの時も彼がtwitter付きで私物のBlackBerryを大統領就任後も使い続けるかどうかと言う話があり、結果的に公職に就いたら専用のセキュリティが施されたスマホ利用が義務づけられて、さらに発信内容もフィルターされたと思うけれど、トランプ氏の場合はどうなることやら...
今回のトヨタの件の前に、フォードがやり玉に挙がって、フォードの場合はアメリカ国内工場の整理統合だったのと、今回の米国大統領選挙前からトランプ氏の圧力があったこともあり、譲歩せざるを得なかったので、今回のトヨタの時も最初はトヨタも譲歩という雰囲気がありました。でも、実際にアメリカ国内の工場が流出するわけで無く、アメリカ国外の工場の移転話にまで口を突っ込むなと(言い方は婉曲にして-笑)、トヨタは言うべきでしょうね。
トランプ氏の大統領としての資質はまだ分かりませんが、何度も倒産しても復活してくるくらいのバイタリティが有る事は事実。で、そう言うビジネス感覚というものを政治の世界にある程度反映することも、メリットはあると思います。ただ、それがアメリカとなると話は変わってくるわけで、アメリカの利益が優先することは当然としても、全てを総取りするような考えでは無く、ある程度世界に対してのコミットメントというか責任もあると思うわけですよね。それをトランプ氏は、もうアメリカがそこまで責任を負う時代では無いと言っているけれど、ある程度世界の重しにならないと、結果的に不利益を被るのはアメリカも同じなんですよねぇ。組閣準備では、それなりに実績のある人が選ばれているらしいけれど、問題なのはそれを聞く耳と頭がトランプ氏にあるかどうかですよねぇ...
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