2016年12月23日

システム乗っ取り

航空機無いのエンタテーメントシステムではメジャーな、パナソニックアビオニクスのシステムに侵入してハッキングし、さらに他の機内システムにも侵入可能だとセキュリティ企業が警告したという記事。時々離陸前とか、フライト中なんかでも、調子が悪いとこのエンタメシステムを再起動してリセットする場面に遭遇すると、私的には馴染みのある起動時の画面が表示されて、そこからシステムが順番に起動していく様子を、にやにやしながら眺めるのですが(笑)、その起動時画面に"Panasonic"とcopyrightが表示されていたことを最初に見たときにはびっくりした物です。えっ、なんでパナソニックがUAの機体に、だったから。まぁ、その後業界の情報を知ることが出来て納得しましたが、個人的にはちょっと意外な組合せというか意外なところで日本の代表企業の名前を見たので一寸ビックリ。

で、個人的に疑問に思うのは、このエンタメ系のシステムって、基幹システムの機能の一部を利用して提供されているんだろうか。個人的には、映像をため込んだNASと、それぞれの座席の画面に表示する配信システムが独立して機内に設置されているんだと思っていたんですが、基幹システムとどう言う接続というか関係になっているのか不思議。エンタメシステムに対して侵入して、これをハッキングすることは技術的に可能だとは思うものの、それを踏み台にしてさらに上位の基幹システムに入り込むには、よほどのコネクションが無いと難しいと思うんですけどね。

この記事を読んでさらに疑問が浮かぶのが、最近の飛行機で徐々にサポートが始まってきている、機内Wi-Fiサービス。詳しいシステム構成は分からないけれど、単純に衛星回線経由で外部のネットワークにアクセスするだけでは無く、機内環境だけのインターナルな環境から映像を取り出したり相互通信のサービスがあるみたいなので、少なくともエンタメシステムには依存している部分があるだろうし、外部とのネットワーク回線を利用するから、基幹システムとも接点があるかもしれない。だから、脆弱性という意味では、こちらの方がよりリスクが高いのでは無いかと思うんですが。勿論、そんなことは素人でも分かるようなことだから、予めこれまで以上にセキュリティ対策はしているんだろうけど、絶対と言う事は無いですからね。本当に機内の基幹システムとの干渉を無くそうと思ったら、物理的に完全に分離するしか無いわけで、そうなるとコスト的にも大変かも。

拠点間のデータ通信とか、ある範囲のデータのやり取りは、暗号化とかセキュリティに関して凄く注意される半面、一旦その中に入ってしまうと結構曖昧になるというか、セキュリティの盲点になっている気がします。そういう観点からも、この機内システムだけでなく、例えば自動運転課が進む自動車にしても、どんどん複雑化する家電製品でも、同じようなリスクは存在すると思わないといけないかも。はっきりしているのは、便利になると言う事は、どんどんややこしいことも増えていくと言う事でもあるんですよね。

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