2016年11月10日

ぶれない経済

トランプ新大統領誕生により、一時1000円以上も大きく下げた昨日の日本の株式。最後に少し持ち直して、前日比の下落幅は900円ちょっとに納まったけれど、それでもこれまで持ち直してきた分を一気に吐き出す大きな変化に、多分株式投資をしていた人達は右往左往していたでしょうね。多分殆どの人はヒラリー氏当選を予想して、株価が上がるタイミングを見て売り利益を得ようと期待していたら、一気に値段が下がって...

昨日のニューヨーク市場は逆にUS$300上がり、マーケットは今回の変化を歓迎している雰囲気。今日の日本市場も、この傾向を受けてあげ戻して欲しいですよね。為替も、今のところ円安に振れているみたいだし下がる要素は無いはず。トランプ氏の胡散臭さを除けば(笑)。彼を詳しく知ってはいないけれど、ニューヨークのTrump Towerをはじめとした不土産業を中心にビジネス的には何度かの成功と挫折を繰り返して、現在は成功中の人物。良く政治の世界にビジネスの感覚を持ち込めば、効率的な運用が出来ると言われていて、それはそれである部分は正しいと思うけれど、やはり別の世界だと思う政治の世界で彼が成功できるかどうかは未知数。多分、ビジネス的な嗅覚は鋭いと思うけれど、政治の世界では儲かる事ばかりするわけにはいかず、一寸ベクトルが違う。その当たりを彼にスタッフがちゃんと舵取りできるかどうかが肝でしょうね。

で、早速野党を中心にTPP承認を急いだのは失敗だと言い出しているけれど、そんな後出しジャンケンなんか誰だって出来るわけで、それならそれでTPPの審議に出席して、トランプが当選してTPPを破棄したらどう対応するのか、と質問すれば良かったのに自分達は逃亡して何もしていなかったくせに。仮に、野党が議論に参加して彼らが反対しつつも新木通過し、それで今回の結果になったとしても、それはちゃんと手順を尽くしての結果だから野党は責められないけれど、何もしないで後から結果を見て言うだけというのは、子供でも出来る事。それを、あたかも自分の手柄みたいな言い方をするのは止めて欲しい。何もしなかったくせに、手柄抱けば人一倍要求するのって一番駄目な奴のパターンですしね。

それに似ているのが、テレビなどでよく見る「経済評論家」と言う方。以前はTPPになると海外の安いものが入ってきて日本の農業が壊滅するとか、国内製品が衰退して品質や安全が心配と言っていたのに、トランプ氏が当選してTPPが破棄される可能性が大きくなると、今度はTPPで安い海外の飼料が入ってこないので日本の国内酪農が壊滅するとか、海外の安い食品が入ってこないと家計が圧迫されるとか、もうね、どっちならいいのと小一時間。色々意見があるのは分かるし、それぞれ一長一短あるのも理解出来る。その上で思うのは、日本で出来る事はどんどん高付加価値のあるものに移行しないと、もうペイしないと言う事。そんな中で、薄利多売とかの分野は縮小していくけれど無くなる事は無いので、その残存者利益を狙う事は出来るけれど、それは本当に極々一部の人。所謂「3K職場」も、今は逆に評価が高くなったりしているわけで、結局は新しい条件を利用して新しい分野を切り開ける人が生き残っていけるのが世の中と言う事を思い出さないと。たまたま景気が良くて、余裕があるうちは何でも出来る時もあったけれど、その甘い幻想は捨てないと。いずれにしても、日本国内の経済だけで景気が浮揚する可能性は低い以上、外に出ていって勝負する必要があるわけで、その為には日本だけ利益が出るという仕組みには絶対ならないのですからね。

今回アメリカがTPPを破棄するのであれば、日本としては現在のTPP加盟国やそれ以外の国々と、将来のTPP再構成を想定して自由貿易協定を進めていけば良いのでは。一つの方法が駄目なら、新しい方法を二つ三つと見つけていくのが必要。それをダメになった事をあげつらうだけで偉くなったような気分になっている人は、単にセンスが無いと言うだけで無く邪魔な存在だからとっとと消えていって欲しい。反対意見でも前向きな意見なら大いに聞くべきですけどね。

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