2016年8月8日

さんまのまんま

私も時々観ている明石家さんまの番組「さんまのまんま」。もう31年も続く長寿番組で、さんま本人もそれなりに思い入れがある番組だと感じる番組が、この9月で終了し以後は特番として年二回の放送になるという話。当初は、以前から本人が言っていた「60歳引退説」が現実化かという話しもでたけれど、ラジオ番組で本人が説明したのは「ギャラ」の問題。制作費が削減される中で、自分のギャラを下げても番組を続けたいけれど、そうなると若手やその他の芸人のギャラにも影響(=カット)するということでの判断だったらしい。

自分が仕事をしている業界では、もう30年近く前にコストダウンの嵐が来ていて、それまでの内政重視の方向性がどんどん一時OEM/ODM方針に変わっていったけれど、急激な変化は様々な問題も生むわけで、その反動でまた内製の方向にも戻りつつ、結局は何度かそう言う行きつ戻りつを繰り返して、今ではバランス良く製品に合わせた開発・製造プロセスに落ち着いています。そう言う話しとテレビの制作を比較するのは合わないかもしれないけれど、聞くところではテレビ業界でもどんどん社外の製作会社に外注していき、それによってやらせだとか問題も発生。その度に放送局の責任が話題になるけれど、それが理由かどうか生命線である広告料もテレビ以外のメディアにシフトしていく時代では、じり貧になるのは仕方ないかも。昔はスポンサー側にも余力があったから、帯番組の30分とか60分番組でも、単独スポンサーというのは結構合ったけれど、最近では先ず見ないですからね。精々何かの特番くらい。

同じ映像ビジネスという意味では、映画の世界も同様だと思うけれど、こちらは新人の登用とか若手中心のラインナップでも内容によっては不思議は無いので、まだいろいろとやり方はありそう。テレビのように、ある程度の視聴率を得るために、それなりに有名な人期待出来る人をブッキングしなくても、作品本体の内容で評価されますからね。そう言う意味では、バラエティー全盛時に民放トップだったフジテレビが、今はテレビ東京にも追い上げられるというのは、隔世の感があります。低予算である程度の視聴率を稼げるというので、お散歩系番組が何処の局でも増えているけれど、あれだってそのご当地PRという側面もあるから、ある程度の需要はあるのかな。子供番組にオモチャメーカーがタイアップするような感じですからね。最も、NHKの大河ドラマのように一年間その地元がクロースアップされるなら良いけれど、お散歩番組で一回登場するだけではなかなか限定的だろうけど。

テレビ局も、スポンサー収入以外の収益を求めて努力しているのは確かで、ネット配信をしてみたり番組の二次使用とか、あと10年くらい前からだろうか、テレビ局のキャラクターとか番組を利用した、イベントをG.W.、夏休み、秋休みと開催していたりするわけで、決して何もしていなかったわけでは無い。でも、幾らそう言う副業で頑張っても、結局は本業の番組視聴率が上がらないことには、一番の収益である広告代金も入らないわけで、負のスパイラルからは抜けられそうもありませんね。

昔はビデオなんて無かったから、放送されたその時かあるいは再放送があればそれを見るしか方法は無かったので、ある意味希少性というか視聴者側の飢餓感に訴えて引きつけることが可能でした。その後VHS/Betaのビデオデッキが登場して、多分当初は全体的な視聴者数は上がったと思うんですよね。これまではテレビが2台無いと見られなかった裏番組を後から視聴することが出来るようになったから。でも、それってテレビ業界的には負け何ですよね。必要な時にCMが流れないから。あの時に何かビジネスモデルを変わっていればと思うけれど... もしかすると、今回の番組終了は「明石家さんま」という魅力的なコンテンツの終了に繋がるのかもしれないけれど、個人的にはまだまだあのキャラクターを見ていた活きもする半面、昔ほどの勢いが無くなってきたのも事実で、そう言う意味では微妙ですよね。タモリしかり、北野武しかり。次のキーマンが生まれないことが最大の原因だけれど、それは誰の責任だろうか。やっぱり、テレビ局なんだろうか。

0 件のコメント:

コメントを投稿