2016年7月26日

勝手に公約

都知事選挙も終盤戦。色々話題を振りまく鳥越候補は、もうやけっぱちなのか言う事も支離滅裂一歩手前のような様相。特に気になるのが「250km圏内の原発停止・廃止」と「離島地域は消費税半額5%」という二つの話。

東京都から250km圏内で原発がありそうな場所をちょっと見てみると、まずは東側で福島の相馬地区がギリギリ250km位。北の方向では柏崎が200kmちょっと。そして西の方向では中部電力の浜岡が190km位。福島の、福島第一は廃炉が確定しているし、第二、東海は停止中で、多分将来的にも再稼働はかなり厳しいだろうから、これはそのままで問題無し。実際に再稼働の可能性があるのは、柏崎刈羽と浜岡の二箇所で、前者は東京電力、後者は中部電力が運用しているもの。このうち、東京に本社のある東電管理下の柏崎刈羽はまだ都知事として何か意見を言うことは可能であっても、花岡は中部電力なので全く関係無い話。それに、新潟県にある施設について東京が色々言うのも何か筋違いお門違い。今の新潟県知事も原発に対しては否定的な態度なので、もしかしたらという可能性はあるだろうけれど、ここの場合は東電だけでなく場所的な理由から東北電力にも送電しているので、単純に東京だけの理由で運用を決定することは出来ないでしょう。浜岡はもっと無理でしょうね。実際問題、ぶち上げるには目立つ話題ではあるけれど、実現性というか知事の公約としての正統性と言う意味では、全くと言って良いほど意味の無い話。強いて言うなら、自然エネルギーを進めて原発依存度を下げるとか、火力依存度を下げると言うのなら、まだ論理的なのに。

消費税にもしても同様。消費税には地方税分も含まれているわけで、じゃぁその分を渡さないと言う事で下げればと言われたらどうするのだろうか。国税分を下げて地方税分はそのままというわけにはいかないでしょう。と言うか、地方で勝手にそんなことは決められないわけだし。仮にもし実現するとするなら、まずは都民税を下げるとか無くすと言うのなら、これは東京都の管轄だから可能だろうけれど、所得税なんていうものを持ち出す当たり、いかにも選挙目当て、受け狙いと言う雰囲気を感じてしまう。そのくせ、その可能性に関しては全く考えていないんでしょうね。都知事になれば何でも出来ると言う思い込みがあるから、そういう発言が出てくると思う。で、そういう考えを持っていると言う事、今回の話以外にも何れそう言うことをやろうとする可能性が高いわけで、更に突拍子も無いことを言い出す気がします。

これらの話を聞いていて思ったのが、何年か前に「最低でも県外」と言っていた、ルーピー氏の事。言い出したのは良いけれど、どんどん現状知るにつれて「米軍の必要性」を理解して最後は県内移転を言い出してそっぽを向かれたあの話とそっくりな気がします。鳥越候補のバックには民進党が付いているはずなのに、その程度の事も助言しないのだろうか。あるいは、本人が突然思いついて言い出して、実は裏方も苦々しく思っているんだろうか。どちらの場合でも、実際に知事の仕事を任せたら大変なことになる事だけは確かですね。と言うか、2~3日で理解出来るジャーナリスト氏としても、かなり疑問符が。ジャーナリスト氏でしかも準備不足は分かっているんだから、せめて嘘でも「この1週間、2週間で、まずは最優先自公として、待機児童の削減、自然災害対策、オリンピック準備、まずはこの三本の矢から始めます」くらいの事を言えば、後のことは目をつぶる人も出るかもしれないのに。今問題なのは、消去法で他の候補では無くこの人を支援しようと思っている人出すら離れて言っていることで、そういう人をつなぎ止めるまっとうな公約が必要なのに、何かどんどん暴走気味になって自滅していく。テレビのインタビューで「最後の秘密兵器は」と聞かれて「自分自身です」とか言っていたけれど、うーん... 最終兵器は敵に渡らないように自己破壊装置を持っていたりするけれど、この人の場合はその自己破壊装置が既に起動しているようです。

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