2016年6月19日

特許戦略

中国のHuawaiの国際特許出願数が2年連続で世界最高となり、アップルから受け取るライセンス数よりもアップルに提供するライセンス数の方が多くなったという記事。まぁ、Huawaiは、基地局メーカーとしては世界でもトップクラスだし、最近は自社製のスマホを開発したりと、技術力はある企業。いつもの中国企業というひとくくりでは出来ませんしね。大体、中国の場合は宇宙ステーションは上げるは、原子力潜水艦は持っているは、西側先進国の技術は一通り自国内で所有していますから。勿論、その中には違法に入手した技術もあるだろうし、単にコピーしているだけかもしれないけれど、じゃぁおなじことを他の国がやって出来るかというと、それは難しいだろうし。

ただ、Huawaiの特許数を考える時に、ちょっと注意しないといけないのは、通信関係では中国が独自規格を色々策定していて、それに関しての特許が多いだろうと言う事。勿論将来的には国際的な規格になって、世界でその特許使用が必要になるかもしれないけれど、現時点では中国国内以外では利用出来ない・利用しない規格も多々あるわけで、そういう意味では一寸数だけに惑わされることも無いかなと。アップルにしても、その規格で中国国内モデルを出さないといけないとしたら、どうしてもライセンスを取得しないといけないわけですからね。そういうアンバランスさはあると思う。

中国としては、莫大な市場規模を利用して、最初は独自規格であっても、そのうちに中国標準=世界標準とする戦略があるんだろうけど、なかなかそうも行かない部分もあって、やはり世界規格として採用されるためにはオープン化なり標準化作業をしないと、それがどれだけ良い企画であっても受け入れられないわけで、そういうところってクローズドにしたがりますからね。とはいえ、Huawaiをはじめ最近の中国企業は、その資金力(どこから出てるんだ?)にものを言わせて、どんどん海外の主要企業買収に走っていて、それはイコールそれらの企業の技術や特許を自分のものにして、さらには傘下のエンジニアをそのまま雇用して更に特許を取得させる事で、企業体質の強化と世界進出を目論んでいるわけです。それはそれで、これまでの欧米や日本の企業もやって来たことだから、問題は無いわけだけれど、一旦勢いが付いた中国企業はなかなか止められませんからね。国としても、例えば国策に影響するような場合には何か防御するような方法が必要かも。

中国企業だからと目くじらを立てる必要は無いだろうけれど、裏にどれだけの力を持っているか分からない巨大企業が加速を付けているという心構えは必要かも。

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