燃費性能の計測時に操作をして、実際よりも5~10%良い燃費データを捏造していたことが分かった三菱自動車。たまたま、三菱自動車の軽自動車をOEMで販売していた日産自動車が新車開発のために既存の車種のデータ収集をしたところ、期待値と大きな乖離があり、それが発端となって判明した今回のデータ偽装。三菱自動車の責任も大きいけれど、何となくOEM/ODMビジネスのあるあるネタを見たような気がします。
ただ、さらに調査が進むと、今回問題発覚となった軽自動車だけでなく、2002年頃からほとんどの車種でこの手口が適用されていたらしいと言う事。三菱自動車というと、2000年に発覚したリコール隠し事件が先ず頭に浮かぶわけで、あれから直ぐにこう言う事を社内的に実行していたと言うことは、当時の反省とか改善というものは何だったんだろうか。
今回、軽自動車開発のために三菱自動車と日産自動車の合弁会社で新しいモデル開発のために日産が検査して発覚したわけですが、既存の軽自動車を発売するときには、日産は自社内で検品というか、検査はしなかったのだろうか。日産から見たら、三菱自動車へOEM(ODM?)したものを、その時に社内検査受入検査していれば、多分この燃費データの改竄も発覚したはずなのに。
私もかれこれ30年以上製品開発の場で仕事をしていて、いろいろOEM/ODMには泣かされてきました。うちの場合は、かなり品質保証チームが厳しい検査・検証をやるので、開発時にはこう言う抜けは無いのですが、量産が始まり製品出荷をしている最中に、OEM/ODM側で「コストダウン」とか「同等品置換」みたいな事を勝手に屋って、それが原因で問題が発生したことは何度も。OEM/ODMから申告がちゃんとあって、社内で検証してOKが出た物であれば、仮に問題が発生しても納得して解析するけれど、いきなり隠し球で問題発生すると、とっかかりすら分からなくて大変。その間に、どんどん市場での火の手は拡大するし、火消しをしながら不明な問題解析と原因究明と対策を同時にするという不眠不休状態を何度も経験しました。だからといって、OEM/ODMを止めてビジネスが成り立つような時代では今は無いですからね。自社開発自社製造で付加価値の高い製品も必要だけれど、OEM/ODMを利用してさらにコストダウンしてコスパの良い製品も出していかないと、ビジネスとして継続出来ませんから。
三菱自動車、トラックなどの部門は分離して、乗用車部門は今回の事件で解体あるいはどこかに吸収されてしまうんじゃないだろうか。三菱商事といい、三菱重工と良い、今度は三菱自動車といい、三菱系は御難続きですね。
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