熊本地震の災害対策サービスの一つとして、安否確認のためにLINEが1回10分迄無料通話サービスを始めた件。本田雅一氏も取り上げていますが、善意がかえって仇になり、本来必要な音声通話が妨げられてしまうかもという状態になりかけました。
LINE、あるいはSkypeや楽天電話等は「VoIP(Voice over IP)」と呼ばれる技術を使い、音声をデジタル信号に変換して、相手に伝えるわけですが、同じアプリ相手なら問題無いものの、一般の加入電話との接続にはゲートウェイを通して相互接続する必要があり、そこがボトルネックになって、加入電話側の通話障害まで誘発するという話し。要するに、その通話設備の容量以上のデータが集中するとオーバーフローするわけで、新年の「あけおめ通話」と同じような状況が図らずも発生してしまう。
過去、阪神淡路大震災、新潟中越沖地震、東日本大震災と大きな震災を経験して、その都度大きな犠牲を払いながらも様々なノウハウも蓄積してきたわけで、災害伝言ダイヤルなんかもそういう経験から生まれたものだと記憶しています。何かあった時には、どうしても身内や知り合いの安否が気になるものだけれど、そこをぐっと我慢して最低限の行動に納める事で、本当に必要な情報交換が十分に出来るようにしないといけないけれど、一般的な真理としてはなかなかそうは行きませんよね。水や食料、あるいは着替えやライト等、災害時の常備品の準備とともに、こう言う通信あるいは安否確認の手段なども、家族や知り合いで決めておく必要があるかも。昔と違って、スマホや通信網を上手く利用すれば、本の数秒の操作で、必要十分な情報を共有する事も出来るわけですし。
一方で、昨日から横並びで被災地の様子を流している放送局も考え直す必要が有るんじゃ無いでしょうか。同じように報道ヘリを飛ばし、同じような場所から状況を伝えることにどれだけ意味があるのか。例えば、NHKは被災地の最新情報を送る、日テレ系は今回の場合なら九州地域の交通情報を伝える、TBS系列は支援物資の情報、CX系は負傷者や病院など治療情報を、そしてテレ朝系は避難所の情報、みたいな分断を決めて、それを例えば半日とかでローテーションしていくとか。個人個人だけじゃ無くて、そういう組織や機関も非常時代リテラシーみたいなものを、経験値を元に改善していかないといけない気がします。
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