2016年1月13日

北朝鮮のタブレット

ここ数日、何故かテレビで話題になっている北朝鮮のタブレット。例の水爆実験から、北朝鮮の科学力はいかにという興味から、タブレットが取り上げられているみたいだけど、見た範囲の内容では「北朝鮮製タブレットは、少し重くて厚いけれど、日本のタブレットとそんなに遜色ない」みたいなコメントばかり。つまり、意図的かどうか分からないけれど、北朝鮮科学力侮りガタし、みたいな印象。でも、この業界に一寸詳しければ、あんなタブレットなんてOEM/ODMで幾らでも作る事が出来ると言う事に直ぐに気がつくはず。ある番組では、中身を調べて中国や米国の部品が使われているとい、驚いたように放送していたけれど、いゃ、今の時代そんなの普通だってば。中国国内の怪しいメーカーでなくても、大手であってもちゃんとお金さえ払えば、ある程度自由度のある設計で製造してくれますし、極端な話余り技術的な知識が無くてもそれは可能。どれだけボリューム(台数)をコミットするかにもよるけれど、OEM/ODMメーカーには、最初からOEM/ODM用のモデルとかあって、後はロゴを貼るだけで完成なんていう製品も持っているから、多分そんな製品の一つなのかな、と。ただ、中に入れているソフト類は、北朝鮮製なんでしょうね。もともとソフト開発には人材もリソースも投入している会社だし、まぁそれしか生き残りの方法が無いということもあるけれど。

その北朝鮮製タブレットの製造現場として映っている場面では、回りに普通の服装の人間が沢山いるのに、クリーンルームっぽい格好をした技術者(?)が、何かタブレットなのかスマホなのか、それをビニール袋に入れて箱に入れている様子が映っていましたが、あれって単に最後の製品梱包しているだけじゃん。あぁ、いかにも「作り物」だなぁと実感する場面でしたね。ああいう物を、いかにも「本物」っぽく放送するのってどうだろうか。たまたま私はこの業界の知識も経験もあるから、「あぁ、そうなのね」と分かるけれど、そうで無い人にとっては「凄い」という話になるかもしれない。

で、それって、じゃあ自分が知らない業界や範囲の話になったらどうだろう。たまたま私がある番組を見て、その内容の知識も経験も乏しければ、その番組だけで「凄い」と判断してしまう可能性もあるわけですよね。メディアが全て嘘をついているとは言わないけれど、でもやはり情報はまずは疑って掛かる、色々なソースから情報を集めて比較して検討する、その中で自分としての判断を決める、という情報リテラシーっていうのを忘れちゃいけませんね。

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