この記事で気になって一寸調べてみたら、Yahoo Japanが出来たのが1996年、20年前なんですね。「ポータルサイト」なるものを日本に導入した最初の、そして多分最後の企業なんだろうなぁ。それまでは、AOLとかCompuServeのような(日本だとNiftyとかBiglobe)、BBS系のサービスがインターネット経由回線を使います的な印象だったのが、最初からインターネットを前提にサービスを展開してきた最初の企業なんじゃ無いだろうか。
日本では、良くも悪くもSoftbankの力で大きくなっていって、ポータルサービスだけでなく、「Yahoo」というブランドを利用したサービスを色々展開しているので、経営基盤としてはそれなりに確実なんだろうけど、米国ではGoogleをはじめ、色々なライバル企業が多いですからね。これまでの、広告収入も出るだけでは厳しいと思う。日本のように、アメリカのキャリアーの何処かと手を組んでビジネスするというのが良かったかもしれないけれど、そうなると多分独禁法とかに引っかかるんだろうなぁ、向こうでは。
Yahooのように、ユーザーアクセスを増やしてそこから何かビジネスを始める場合、常にキラーコンテンツを提供しつつ、飽きられないようにそれを更新していく事が重要。LINEだって、当初のインスタントメッセージサービスだけでは、とっくの昔に消えていただろうけど、コミュニケーションを軸に、ネットショップとか動画とか、色々手を広げているから、あれだけのユーザー数を維持できていると思います。最も、それってネズミ車みたいな物で、回っている間は良いけれど、ネタ切れ(スタミナ切れ)になって、走るスピードが落ちてくると、どうしようも無くなるけれど。
別にUS Yahooが怠けていたとは思わないけれど、それでも企業規模が拡大するに付けて、どうしてもビジネスに対しての視点や細やかさが無くなっていったんじゃ無いかと思うわけです。日本では、良くも悪くもSoftbankという、まぁ社長が色々やる事が好きな企業が後ろについているから、何か変えようという意識付けは常にあっただろうし、それによって良くも悪くも活性化されていた事も事実だろうし。個人的には、Yahooという会社にはこれからも頑張って欲しいところだけれど、一度ビジネスが下降気味になり、さらに会社規模が大きくなりすぎている故に、多分分社化、売却という方向でしか救済は無理なのかも。救済というか、残存利益を出来るだけ死守するというのか。それもビジネスの掟なんでしょうね。
ポータルサイトという概念が日本に登場したとき、一番しっくりくる解釈方法が、新聞の見出しを集めたような物というもので、ネットと印刷媒体という違いはあるけれど、結構すんなり受け入れる事が出来たと思うんですよね。で、Googleはそれとは逆に「自分で検索する」という提案をしてきた。「ググる」という言葉も、今では懐かしいけれど、受動的なポータルサイトから能動的なググる世界が生まれてきたのが10年くらい前だろうか。それが今ではLINEのように、プッシュ型に自分に提供される情報を鵜呑みにする時代になってしまったような気がします。ポータルよりも酷い(悪い?)受動型のユーザーばかりになってしまう時代は、決して良いものとは言えないと感じるので、次は何か能動的なサービスが生まれて欲しい。Googleなのか、別の企業なのか分からないけれど。その時には、「ポータルサイト」も死語になるんでしょうねぇ。特に「サイト」という言葉も。
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