2016年1月15日

悪の組織

とあるところで紹介されていた、007映画「スペクター」の悪の組織についてのコラム(12月6日分)。「昔はよかった」とよく言われるけれど、それって記憶が曖昧になって好ましい記憶しか残っていかない(悪い記憶は残っているけれど片隅に追いやられてしまう)事もあるけれど、昔は今ほど情報システムが整備されていなかったから、「よく分からない事」が沢山あったからでしょうね。この007映画の最新作はまだ見ていないのですが、先のコラムで説明されている「悪の組織の目的」って言うのが、読んでみて凄く理解出来る気がします。

私の好きな小説シリーズの一つに、クライブ・カッスラー描く「ダークピットシリーズ」や、そこからの派生ストーリーがありますが、基本的に1話に一つ「悪の組織」が登場します。その時々で組織の目的は異なるけれど、大体においては過去の技術や財産を手に入れて、世界を牛耳るみたいなことが目的として書かれているけれど、それだって「世界のある部分、組織、地域」を牛耳る訳で、世界征服何て言うことは目指していないだろう事は分かります。それに、仮にお金儲けが目的としても、わざわざ征服しなくてもやり方は色々あるわけですよね。表に出れば、必ずぼろが出るわけで、その為にもこう言う悪の結社は陰で分からないように活動するのが常では無いだろうか。小説の中の組織もそう言う傾向だけれど、懸命な主人公に一寸したぼろが見つかり、そこから綻びていくというのが大体の筋立て。

考えてみたら、よほど他を圧倒するような技術力を持っているとか、よほど相手を凌駕するような財源が無いと、大きな組織は維持できないわけで、それ位の力や財源があるのであれば、わざわざ世界征服しなくても良いんじゃ無いかと。それに、今でも世界でトップクラスの億万長者だと、下手な国家予算位の個人的財産を持っている人もいるだろうけど、じゃそう言う人達が国家に相当するような活動をしているかというと、中々そう言うことも無い気がします。謀略物だと、現実の政府だとか組織が、実は裏の顔と表裏一体だったみたいな話もあるわけですが、うーんどうだろう、今の世界でそんな風に二重の組織を、それも目的が多分相反するような組織を、長年維持して秘密が漏れないものだろうか。

逆に「悪の組織」というか悪いことをするグループという意味では、表に出て活動するけれど、実は法律や規則を破ること無く(本当はグレーゾーンな部分も多々あるけれど)、逆にそれらを武器に組織活動をしているグループもあるんじゃ無いの。誰とかどことは言わないけれど、あの人達とかあのグループとか(笑)。別に、スペクターを目指しているんじゃ無いだろうけど、自分達が正義と思って社会のルールも無視して自分達の主義主張のみを押しつける事って、ある意味「悪の組織」の目的と変わらないのでは。大体、悪の組織の党首やボスだって、自分で自分達を「悪の組織」とは余り言わないだろうし。どちらかというと、「世の中の悪を倒す・消す正義の味方」位のことを言っているような気がする。つまり、「悪の組織」と言い放つ人達よりも、「我々が本当の正義の味方、正しい主義主張です」と言いふらしている人達の方が、実は大多数の人達から見ると反対の方向性を持った、所謂「悪の組織」なのかもしれない。だって、抱いた言うの人が受け入れられる、納得できる、賛成できる事が、その時その場所で「正しいこと」になるわけですからね。そこに、別の場所・時代の尺度を持ち込んで、それに合わないから正しくないといわれても困るわけです。

物語の中での「悪の組織」は、追い詰められていくとどんどんどんどん自暴自棄になっていき、最後は自爆するような派手な爆弾まで持ち出そうとするわけですが、そういうところも、あの人達とかああいうグループの人達の行動と、凄く似ている気がする。で、その主張が受け入れられないと、言葉や内容を変えて又同じように主張し始めるのも同じ。そうか、彼らは「悪の組織」の片割れだったのね(笑)。

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