2015年12月22日

深圳の土砂崩れ

中国深圳市で発生した大規模な土砂崩れ事件。映像で見ると、土砂崩れというには余りに大規模すぎて、最初は一体どんな土砂があったのか不思議でした。やっと以前の状況の映像なども出てくるようになってきたけれど、日本でイメージするような「土砂崩れ」と言うよりは、残土や産業廃棄物で出来た「山」が崩壊した、山体崩壊とでも言った方が良いかも。実際残土の山の高さは20階建てのビルくらいあったと言うから、40~50m位はあったはずですよね。多分残土処理なんて、その場で捨ててお終いで、土を固めて固定化するなんていう事はやらないだろうから、全体の重みで下の方はそれなりに固まっていたかもしれないけれど、上部に近い部分、あるいは中頃くらいからは、何かの衝撃で一気に崩壊する危険性があったんでしょうね。報道によると、ガスのパイプラインも近くを走っていて、それが爆発下という話もあるらしい。若しかしたら、パイプラインに亀裂か何かがあってガス漏れをしていて、それが残土の中に充満したところに何かのタイミングで火がついて爆発したのかも。

こちらの記事で興味深いのは、周辺の住民が危険性を役所に指摘しても、腐敗撲滅運動のために目立つことを恐れた役人が何もしない状態になり、結果的に不法状態が継続してしまったと言う事。腐敗撲滅が結果的に人災を招いてしまうというのは、なんとも皮肉な結果ですよね。被害に遭った人達にとっては、もう笑うに笑えない状態。

深圳市何て言うのは、香港の直ぐ横で、しかも経済特区として国内の他の地域と比べて自由度も高い地域じゃ無いかと私なんかは感じるんですが、だからこそ不正とか腐敗の温床にもなりやすいのだろうか。お金が動くところに、悪いことも集まるように。

暫く前に発生した、天津港の爆発事件も、その後の状況はとんと聞こえてこなくなりましたが、あれだってあれだけ大規模な事件であれば、日本なら何年も責任者とか事件の原因とか話題になるはずなのに、それが綺麗に消えてしまうのが庁国の怖さというか。昔のように言論も情報も封鎖されていた時代なら、そう言う状況に合わせて静かに暮らすことが最大の幸せだったのかもしれないけれど、これだけ情報が氾濫し外の世界も知っている人が増えてきている時代に、いつまでそう言う強権的な事が通用するのだろうか。「中国崩壊」とまでは言わないけれど、ジワジワと病理が侵食しているような雰囲気は感じる事件ですね。

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