2015年12月4日

政治的公平性

TBS系列の「NEWS23」で、アンカーの岸井氏が「安全保障関連法案」の廃案を呼びかけた問題。TBS社長民主党の岡田氏も、「政治的公平性」を犯していないという判断らしい。問題となる放送法第四条を見ると、「放送番組の編集に関しての公平性」を謳っているわけで、決してその放送事業者全体のバランスでの公平性を要求していないと私は感じます。「放送番組」と言っているわけだから、一つのパッケージとして提供されるものが「番組」なわけですからね。その一つの番組が15分番組だろうと30分番組だろうと、4時間の特番だろうと、その番組が一つの単位として、その中で公平性やその他の要求事項が満足されないといけない。仮に放送事業者全体のバランス云々というのであれば、それ以外の要求項目に関しても同様に考えることになり、じゃぁ一つの短い番組で風俗に反する内容や公共福祉に反する内容を放送したとしても、一日あるいは曲全体の内容でバランスが取れれば良いというのだろうか。

仮に放送事業者全体説が正しいとすると、例えばプライムタイムに某政党のよいしょ番組を流して、深夜帯とか早朝にその政党に反対する政党の番組を流しても良いことになってしまう。勿論、短い時間の中で全てに対して公平性を担保することは現実的には無理だろうから、そこは多少のアンバランスも存在するだろうけど、アンカーマンという番組の中心的役割の人が「廃案にすべき」と主張したいのであれば、少なくともゲストなりそれなりのコメンテーターを用意して「成立すべき」という主張(と、その理由も)も対比させて提供させなければ、「公平」とは言えないのでは。誰かが言っていたけれど、放送局全体でバランスといったって、全部の番組を見ているわけじゃ無い、というのは至極もっともで、問題はその時その時の内容のはずなんですよね。少なくとも15分とか30分とか、あるいはその番組全体という「単位」の中で完結していないと、視聴者にとっては片務的な情報しか得られない。

確か、以前安倍首相が大阪読売テレビ系列の「そこまで言って委員会」で偏った発言をしているみたいな事を言っていたけれど、岡田氏やTBSの言い分が正しいのならば、それは全く問題無くて、他の部分でそれとは別の反対意見を採り上げていれば問題無いことになってしまう。彼らは、それで良いと思っているんだろうから、今後は国会でそう言う内容の質問は出来ない事になるんだけど、良いのだろうか。多分、考えていないんだろうなぁ... いつものことですね。

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